第46話 オッサン齢53歳にしてイラつく。
やっぱり今回辞めた人達もそのままこのダンジョンに残った。
今回大量のネズミ退治をする事になったので、参加者全員がレベル10を超えていた。
ステータスが2段階上がったので自覚できるほど強さが上がった。
その為、解雇組の『自分たちでやった方が早く稼げるようになる』『あいつらに良いように使われるのは時間の無駄だ』
と言う言葉を信用してしまったらしい。
道中俺たちが簡単に倒したのも良くなかったらしい、このダンジョンのモンスターはそれほど強くないという印象を与えてしまったらしい。
「他のダンジョンと構成違うっすからねぇ、このダンジョンは弱いから剣崎さん達が簡単に下行けるって言う言葉信じちゃったみたいっすねぇ」
笹かまが色々話を聞いた所そういう感じだったらしい。
次のボスがレインボースカラベだったので、そのまま倒して戻って来たらそういう話だった。
今回ドロップしたのはティラノサウルスの牙と肉だけだ。
やっぱり安定しない。
虫は千紗が過剰反応気味に魔法で倒し尽くしたので、強いのか弱いのかは全く分からなかった。
今日はこの後もう1回ボスだけ倒しに行く。
笹かまにも一緒に来てもらおうと思ったが、10人以上の人が換金待ちをしている。
マミーのボスの所までプレートで移動すると、最初に解雇組が全員たむろしていた。
俺たちが移動すると、ニヤニヤしながら付いてくる。
気分的には嫌だが気にしても仕方がない、そのまま上に上がってボスと対峙する。
何回も倒したせいか、既に慣れた感がある。
いつも通り倒すと運良くレアドロップした。
「今だ!」
解雇組のリーダー格が声をかけると一斉に解雇組がドロップ品に駆け込んできた。
「おっしゃ!とったぞー!」
レアドロップしたアイテムを解雇組の1人が拾って上に突き上げるようにしながら叫んだ。
「おい、それは俺のもんだろ」
「そうですよ、ただ見ていただけなのにアイテムだけ貰うなんてマナー違反ですよ」
「お前たちはプレートから上に登るというマナー違反の行為をしているんだ!そんなお前たちにマナー違反だと言われる筋合いはない!」
ドロップ品を持っている男が怒鳴った。
「まぁまぁ、我々は優良な冒険者だからな、マナー通りここにいる探索者全員で均等に分配でも構わないよ」
ニヤニヤしながら、そう提案して来た。
めちゃくちゃムカつくが、どう反論して良いのかが分からない。
「とりあえず、それで頼むウチは12名だから…」
「おっと違いますよ、契約してる人はドロップ品を受け取る権利ないですからね、こっちの17名とそちらの2名で均等分配ですよ」
勝ち誇ったようにそう言って来た。
「グッ、分かったそれでお願いする」
何も言い返せない。
だがここで俺が暴れれば、装備の効果で皆殺しにしてしまう。
だが、装備が無ければ俺の強さは底辺だ。
「無視して次に行こう」
ゴーレムでもレアドロップした。
今度は気をつけていたので先に拾えた。
「おい!こっちも均等分配したんだ!そっちもやれよ!」
「いや、悪いがそれは出来ない」
「随分なマナー違反ですね、協会に報告させてもらいますよ」
ニヤニヤしながら、リーダー格がそう言って来た。
「仕方がないな」
こいつらのやってる事も大概だから、実際は言えないと思ってる。
無視してティラノサウルスに行くがやっぱり付いてくる。
「次は2つ出るから、ドロップしたら私も確保に向かいますね」
千紗が優しい声でそう言ってくれた。
周りにもわかるほどイラついてるようだ。
「ありがとうね、後で笹かまに相談してみるよ」
ティラノサウルスと対峙する。
イラついてるせいか、何回か倒してるせいか、目の前のティラノサウルスに何も脅威を感じなくなった。
いつも通り、仕留めるとレアドロップした。
俺たちが確保に動いた時に
「今だ!」
と、またリーダー格の声が聞こえた。
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