第6話 オッサン齢53歳にして初めて戦闘する。
注文した翌々日に一通りの装備が届いた。
既に午後だが、待ちわびていた俺にとって、明日までダンジョンを待つのは無理だ
すぐそこにダンジョンはあるんだし、自分の発見したコンボの性能を確かめたい。
早速装備してダンジョンに向かう。
長命のクロスは、赤いチョッキだった。
ん?あ!そうか今時チョッキじゃ何かわからないのか、ベストね、ベスト!
これに奪命の指輪をつけて、バイクのライダーがつけそうな指抜き状の黒の革手袋、乾坤一滴を付ける。
これにパチンコ…スリングショットを装備する。
うーん、チグハグだ。
赤いチョッキもなんか悪目立ちするし、指先の無い革手袋って痛い人が付ける代表的な物じゃないか?
指輪はまだしも、パチンコはパチンコで安物のせいかオモチャ感が拭えない。
まぁ、良い。
今は見た目よりも性能重視だ!
早速自分で見つけたダンジョンまで行く。
あれ?なんかプレハブにほったて小屋みたいなものが入り口の前に建ってるぞ。
協会か?協会だろうな。
仕事早いな。
「すいません、ダンジョンに入りたいんですが」
プレハブの中に入りながら、中の若い男の声をかけた。
「お!剣崎さんっすね、自分このダンジョンの管理人することになった笹山っす。
仲のいい奴らからは笹かまって呼ばれてるんで、それでよろしくっす」
よく言えば社交的、悪く言えばチャラい、軽い、鬱陶しい、図々しい、別にお前と仲良くしたいとか思ってない。
的な人が中で座ってた。
協会の人と揉めていい事は無いので大人の対応でやり過ごす。
「あ、どうも、それでダンジョン入って良いですか?」
「あ、どうぞ、当分は剣崎さんくらいしか入る人いないだろうし、バンバン行っちゃってください」
「あ、はい、じゃあ行ってきます」
そそくさとダンジョンに入るとクラスを選べるプレートの周囲は囲われていて、ドアが付けられロックされていて、勝手に入れないようになっていた。
この辺も仕事早いな。
取り敢えず真っ直ぐ歩くとある場所から急にフッと空気が重くなった。
セーフティエリアを抜けたのだろう。
セーフティエリアは1階が1番広くてフロア全体の半分くらいある。
下に行くにつれ狭くなっていき、最下層付近ではほぼ無くなるらしい。
しばらくは必要のない情報なので、あんまり詳しく調べてないので曖昧だけど。
そしてもう少し歩くと岩がゴロゴロとある、岩山の麓みたいな感じになってきた。
そして、そこにはゼリー状にうごめく物がいる。
スライムだ。
物理耐性が高いので厄介な相手なのだが、俺的にはHP低めで手頃な相手である。
「早速攻撃だ!」
最初のスリングショットが当たると、その後連続でダメージが入りスライムが倒される。
「………」
思ってたのと違う。
もう一度、確認のためスライムに攻撃を仕掛ける。
スリングショット ダメージ0
堪忍スキル発動 回復1
奪命の指輪発動 ダメージ0
乾坤一滴発動 ダメージ1
堪忍スキル発動(奪命分) 回復1
堪忍スキル発動(乾坤一滴分) 回復1
奪命の指輪発動 ダメージ0
奪命の指輪発動 ダメージ0
乾坤一滴発動 ダメージ1
乾坤一滴発動 ダメージ1
堪忍スキル発動 回復1
堪忍スキル発動 回復1
堪忍スキル発動 回復1
堪忍スキル発動 回復1
奪命の指輪発動 ダメージ0
奪命の指輪発動 ダメージ0
奪命の指輪発動 ダメージ0
奪命の指輪発動 ダメージ0
乾坤一滴発動 ダメージ1
乾坤一滴発動 ダメージ1
乾坤一滴発動 ダメージ1
乾坤一滴発動 ダメージ1
堪忍スキル発動 回復1
堪忍スキル発動 回復1
堪忍スキル発動 回復1
堪忍スキル発動 回復1
堪忍スキル発動 回復1
堪忍スキル発動 回復1
堪忍スキル発動 回復1
堪忍スキル発動 回復1
奪命の指輪発動 ダメージ0
奪命の指輪発動 ダメージ0
奪命の指輪発動 ダメージ0
奪命の指輪発動 ダメージ0
奪命の指輪発動 ダメージ0
奪命の指輪発動 ダメージ0
奪命の指輪発動 ダメージ0
奪命の指輪発動 ダメージ0
乾坤一滴発動 ダメージ1
乾坤一滴発動 ダメージ1
乾坤一滴発動 ダメージ1
乾坤一滴発動 ダメージ1
乾坤一滴発動 ダメージ1
乾坤一滴発動 ダメージ1
乾坤一滴発動 ダメージ1
乾坤一滴発動 ダメージ1
戦闘終了
ここまで回復15 ダメージ15
次回復したら回復31 ダメージ31
で、この後19しか回復出来ないから、19ダメージ入れて50の最大ダメージか。
反応までのタイムラグが全然無いから、はたから見たら一瞬でスライム殲滅されたように見えるな。
自分自身で起きてる事なのに、意識して何が起きてるか確認しないとよく分からないうちに戦闘終わってるもんな。
あ!
ここで俺はまた何かが閃いた。
必要な装備探してる時に見かけたあの装備。
あれがあれば大物狩れるんじゃないか?
俺は戦闘を中止して、帰ることにした。
忘れないうちに通販で頼まなきゃ!
最近、後でしようと思うと何しようと思ったか忘れちゃうんだよな。
「あれ?もう帰るんですか?」
ダンジョンを出ると、直通になってるプレハブ小屋に居た笹かまに声をかけられる。
「ああ、明日から本格的に潜るよ」
それだけ答えると、俺は自宅に戻った。
慌てて戻ったせいで、体力が切れる。
「ぜい、ぜい、ぜい、あれ?何しようと…ああ!思い出した!」
息が切れて酸素が脳に行かなかったせいか、部屋に戻った瞬間、何をするんだったか一瞬飛んだ。
危ない危ない、すぐ思い出したからいいけど、そのまま思い出せないとか普通にあるから、歳はとりたく無いねぇ。
早速通販サイトで新しい地雷装備を注文した。
これが揃えば、一気に戦闘が有利になるんじゃないかな。
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