矜羯羅(こんがら)ガール。

猫野 尻尾

第1話:地球の反対側の女の子。

太陽を挟んで地球のちょうど反対側に地球そっくりの惑星があったとして・・・。


その惑星の公転周期や軌道は位置が違うほかは地球とまったく同じなので、

常に太陽の向こう側に位置して決して地球からは見ることはできないのじゃ。


「その惑星は中国の仙人がいそうな名前の「蓬莱源星ほうらいげんせい」って言った。


その惑星の存在は地球人にはまだ発見されておらず、この時代の人類はまだ

宇宙探索の技術はなかったのです。

逆に「蓬莱源星ほうらいげんせい」は地球よりは文明や科学が発達していたので地球の存在はよく知っていた。


そして、その「蓬莱源星ほうらいげんせい」から一人の女の子が地球にやってきたのです。

今回もやって来るパターンです。


俺の名前は「是岳 聖也これだけ せいや」 25歳、地球人。

職業は派出所の巡査。

日々、義憤にかられながら市民のために頑張ってる。


とある朝の出勤前の出来事。

母ちゃんが洗濯物を干しに庭に出た時、広くもない庭に見知らぬドームテント

が張られていたらしく母ちゃんが慌てて俺に知らせに戻ってきた。


庭に降りて行ってみると、母ちゃんの言ったとおり庭の芝生の上にドームテント

が張ってあるじゃないか?


いったい人んちの庭にテントなんか張るやつは誰だ?


で、僕は恐る恐るテントの中を覗いてみた。

そしたら・・・そしたら、見ず知らずの女の子がひとりテントの中でヘソ天で

寝ていた。

見たところ、人間のギャルには見える。


なんで?

なんで、女の子が僕んちの庭でテント張って寝てんだ?

ここはキャンプ場じゃないぞ。

それにどこからやってきたんだ?


たとえば一人旅の途中で、暗くなってやむなく僕んちの庭で野宿しようと

思ったとか?・・・。


当然、起こして理由を聞くしかないよね。

ってことで僕は女の子を起こした。


「すいません・・・起きてもらえませんか?」


「・・・・・・・・」


「すいませ〜ん・・・よく寝てるようですけど起きてもらえませんか〜?」


すると女の子はびっくりして飛び起きて目をパチクリさせた。

で、眠そうな顔で片目だけ開けて眩しそうに僕を見た。


「あ・・・ども・・・あの、おはようございますぅ」


「はあ・・・おはようございます」

「起きたばっかでなんですけど・・・なんで僕んちの庭にテント張って寝て

たんでしょうか?」


「ごめんなさい・・・降りたところが、たまたまここだったから・・・」

「真夜中だったし、ここでいいやと思って・・・芝生も綺麗だったし」

「家の方に声をかけると迷惑かと思って黙ってテント張っちゃった」


「降りてきたって?・・・張っちゃったって?」


「はい、空から・・・」


「え?空?・・・・」


「もちょっと詳しく言うと宇宙から・・・」

「さらに詳しく言うと地球の反対側にある惑星「蓬莱源星ほうらいげんせい」ってお星様から」


「地球の反対側?」

「地球の反対側にそんな星があるんですか?」


「あるの・・・ここからは見えないだけで・・・」


「ってことは?君、地球人じゃないんだ・・・」


「珍しくはないと思うけど・・・」


なんだか、その子、きゃぴきゃぴしてる。

まるでアイドルみたいな格好をして・・・秋葉原のステージに立てそうだ。


ところで君、名前は?


「私?・・・私は瑠羅るらだよ・・・よろしくね」


「ルラちゃんね」

「あ、俺、聖也・・・是岳 聖也これだけ せいや

「セイヤって呼んで」


「うん・・・よろしくね、セイヤ」


「よろしくルラちゃん・・・」


とぅ〜び〜こんて乳。

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