第6話 主人公とは何なのか?
黒歴史は青春になりえるのか?
その答えを柿本夜鷹が導き出すには、今回の人生経験が圧倒的に少なすぎる。いや、たとえ前回の挑戦も生き甲斐もなかった人生経験を足したとしても答えは見えてこないだろう。
しかし、今回の人生において柿本夜鷹は黒歴史を生み出すことを恐れない覚悟を決めている。
であれば、数々の挑戦に飛び込み。恥ずかしい行動を青春テンションで繰り返し。思い返すことで死にたくなるような過去を作り続けた先に、憧れた自分がいて。
そんな自分が振り返った過去に黒歴史とも青春とも呼べる何かが、きっとあるはず。
だからこそ、止まってはいけない。周りの目や周囲の声や自分を卑下する自分の言葉に惑わされてはいけない。
だって、止まってしまえば前回と何も変わらないのだから。
止まってしまえば、柿本夜鷹は主人公でなくなってしまうから。
どうしようもないほどの、主人公への......理想の自分への憧れを携えて、本当は微塵も信じていない自分の可能性や才能を信じるふりをして、出来もしない、ありもしない未来を夢想して、走り続けるしかない。
主人公になりたいのならば、気が狂うほど自分の可能性を信じなければならない。
積み重なった後悔も、何かに向けられた嫉妬も、周囲や自分への恨みや怒りや不満も、微塵も感じていないように......
微塵も感じてはいけない。
それらを感じるということは、それらを感じることになった要因に価値を見いだせていないということだから。
それらに価値があるのならば、それらを愛せるはずだから。
どんなに痛々しい黒歴史にも向き合って、過去の自分を抱きしめることができるはずだから。
過去の自分を愛してあげられるはずだから。
柿本夜鷹にとっての主人公は自分の凡庸性を恐れたりしないから。
柿本夜鷹にとっての主人公は過去の自分を殺したいほどに憎んだりしないから。
柿本夜鷹にとっての主人公は誰かの成功を妬んだりしないから。
柿本夜鷹にとっての主人公は周囲に不満や怒りをぶつけたりしないから。
柿本夜鷹にとっての主人公は、こんな事を長々と考えたりしない。
柿本夜鷹にとっての主人公は___
柿本夜鷹にとっての主人公は___
柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は柿本夜鷹にとっての主人公は
自分が主人公なんだと信じて疑わないはずだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます