第16話



 「あり得ないでしょ」



 証明書?


 推薦?


 教官の言ってることは信じられなかった。


 仮に証明書なんかがあるとしても、内容が内容なわけで…



 …えっと、聞き間違いじゃなければ、そういうことだよね?


 “ストーン・アーケードの生まれ変わり”


 丁寧に言葉を並べながら聞き返すと、2人は目をまん丸にしながら頷いた。



 あり得ない…



 そもそも、「生まれ変わり」っていうのがどういう意味かわかってる?


 リリム博士って、確か生命科学部だったよね?


 生まれ変わりって、あの「生まれ変わり」でしょ?


 輪廻転生的なアレ。


 学術的にそういう科学的な根拠というか、前世とか来世とかいう概念を説明できる資料はどこにもないし、完全に「オカルト」じゃない?


 それ。


 それに、よりにもよって「ストーン・アーケード」なんて…



 「まあまあ、そう話は単純じゃないんだ。生まれ変わりは生まれ変わりでも、魂が入れ替わったとか、そういう「話」じゃない」


 「…待ってください」


 「なんだい?」


 「何度も聞き返しますけど、ストーンって、あのストーンですよね?伝説の冒険家の」


 「そうだよ。数百年も前に亡くなったっていう、あの」


 「うん」



 私が知らない「ストーン・アーケード」がいるかもしれないと思ったけど、どうやら違うっぽい。


 まじまじと彼を見た。


 ストーン・アーケードの写真が残ってる訳じゃないから、顔が似てるかどうかはわからない。


 生まれ変わりっていうくらいだから、要するに“瓜二つ”ってことだよね?


 それとも、顔は少し違うんだろうか?



 …うーん


 いやいや


 似てるとか似てないとかじゃなくて…

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