なかなかに死出の山路を越えかねて可もなく不可もなきうたを詠む

【読み】

なかなかにしでのやまぢをこえかねてかもなくふかもなきうたをよむ


【語釈】

死出の山路――死出の山の険しい山道。

[デジタル大辞泉]


可も無く不可も無し――① 言行にゆきすぎや不足がなく適切である。中道を得ている。②特によくもなく、また、悪くもない。欠点もない代わりに、取り立てていうほどの長所もない。平凡である。

[精選版 日本国語大辞典]


【大意】

なかなか死出の山路を越えられないで(=現世を離れられないで)、取り立てて見るところのない詩歌を物することである。


【付記】

詩歌を物するのはわたしにとっての処世の術である。詩作がなかなか思うに任せないときは、いささか見劣りするものでも世に問うのが自分のために良いだろうと思っている。松尾芭蕉(1644-1694)さえいくつも駄作を残しているのだから、況やわたしにおいてをやである。

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