私たちの一体感

筑紫榛名@12/1文学フリマ東京え-36

(一)

 マキたちが汗だくで楽屋に入ってきた。開かれたドアの奥からは、何度も「アンコール」のかけ声が響いている。

 三人は部屋に入ると、フリルのついた短いスカートの衣装をそれぞれ脱ぎ始めた。

 それぞれ三人が着ていた赤と黄、そして青の衣装が、部屋の中央に置かれたテーブルにきちんと収まっていない三脚の椅子にそれぞれ置かれ、ひっかけられ、乗せられた。

 マキは衣装を置くとすぐにテーブルの上のタオルを掴んだ。そしてそれを額から端正に整った顔の頬、あごのライン、そして首元、うなじと這わせ、さらに肩から腕先そして反対側の腕も同様にし、鎖骨からチューブトップブラの中を上からと下へと手早く拭っていった。さらに腹から背中にもタオルを回し、その上で下の下着の中を上から尻の割れ目にそってタオルを入れる。他の二人も同じようにすると、それぞれテーブルの上に置かれている制汗スプレーを掴み、それぞれタオルで拭った自分の体に噴霧する。


(続く)

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