第14話

「久々に呼び出してすまないな、レイ」

「いえ、総司令。ついに見つかってしまったんですね、僕が‥」

「あぁ、そうだ。あいつは恐らく、お前を殺してこの世界を壊す気だろう」

「必ず、アレンを殺してこの世界の調和をS1班隊長の名にかけて守ってみせます。」


「そ、そんな‥」

「まぁ、そういうことだ。アレン、お前は最初から我々の術中にいたって訳だ。この館には流石に人間たちも入る事は難しいからね、アレンの許可なしには。」

「違う、違うんだっ!兄さん、、」

「何を今更。恨んでいるんだろう?僕のことを。たった5歳の弟を残して消えたんだからな。無理はない。もちろん、お前の事が嫌いって訳でも恨んでいる訳でもないよ。ただね、物事には優先事項があるんだ。」


そう、僕は連れ去られ過酷な実験体として過ごした後今の世界安全機構に、救われたんだ。毎日拷問が目的の拷問つまりは、死んだ方が何倍もマシな世界から救ってくれたのが今僕が所属する機構だ。僕はその瞬間から、ここに忠義を尽くすと決めた。もう弟のお守りなんてしない。ましてや実験体にもならない。自分の意思で僕はS1班隊長として弟をいや、害をなす敵を殺すのだ。別に、後悔も何もない。


「兄さんっ!!目を覚ませよっ‥兄さんは知らないだっっ‥ガッハッ、、」


(兄さん‥本当は違うんだよ。兄さんを救うために私は、、俺は‥。愛する兄さんを殺さなきゃならないんだ。)

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