第59話 ゴスロリ期の闇 少しサイコなメンヘラちゃん5
ノゾミとはふつうにメールのやり取りしてました。
なにか天然な子で、多少メンヘラ感はありました。
ひとりで近所の公園でブランコに乗って過ごすということがあるとか。
……気合いの入ったゴスロリのカッコした子が公園のブランコに乗ってたりしたら怖いだろ! ホラーだろ! 見かけた人びっくりしますよ。
てか、パニエ入れてブランコに乗れるのか? 公園で過ごすときはふつうの服装だったとかかな。
そんなことや、リストカットしようとしたけど、かすり傷みたいな傷しか付けられず、それ以上はできなかったとか。
そんなことを言っていた記憶があります。
けどノゾミはメンヘラくさいというだけで、特にメンタルクリニックに通院してるとかはありませんでした。
メールのやり取りするにしても、ノゾミとは共通の話題がファッションしかありません。
わたしはゴシック・ロックやゴシック音楽は好きですが、そもヴィジュアル系には特に興味ありませんし、あとは映画の『下妻物語』の話題くらいとかでした。たわいもない世間話が多かったかと思います。
もひとつお近づきになりたいとは思いませんでした。
わたしもそこまで暇でもなかったのか、まもなく音信不通になりました。
まぁ、悪い子でもなかったんですけどね。
そんなことがあって、すっかりフグもノゾミのことも忘れて、それから2年後くらいのこと。
また、唐突にノゾミからメールがきました。
特に何か用があったわけでもなく。
変な子だな、と思いつつ適当にやりとりしてました。まぁ、そこはふしぎちゃんなところもありましたし。
悪い子でもないし、別にいっかと。
ノゾミはあれから彼氏ができたと言いました。
それは良かった。おめでとうと思いました。
でも、以前のノゾミとはなにかキャラが違う感じがしたんですね……。
ノゾミって、下ネタを話すタイプじゃなかったんです。
全くしませんでした。
それなのに、下ネタが際どかったんです。
彼氏ができて、それで覚醒したとかかなと思いました。
彼氏との営みの近況報告をしてくるような感じでした。
主に愚痴なのですが。
イヤな感じの下ネタでした……。
彼氏との行為に不満があって誘ってるのかな? とも思いましたが、でもそこでわたしはふと思った。
――わたしがメールしてる相手というのは、本当にノゾミなのか? と。
実はなりすましでは……。
ノゾミとはほんと、最初に一度お茶しただけで、それ以降はメールのやり取りだけです。それからは一回も会ってません。
通話すらもしてませんでした。
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