第17話 ACナスビ メンヘラちゃんの生まれてから死ぬまで

 あるメンヘラちゃんが生まれてから死ぬまで。その一生を見ました。そんな話を書きます。

 文字数的に全8回くらいになるかと思います。エタったらごめんなさい。


※自傷行為と機能不全家庭に触れますので、苦手なかたは無理に読まないようにしてください。




 ACというのはアダルトチルドレンのことです。

 本来はアルコール依存症の親を持ったことで何かしらのメンタル的弊害により社会で生きる上で困難になった子どものことでしたが、近年では機能不全家庭で育ったことでそのようななんらかの要因を抱えてる子どもという意味で使われるようになりました。


 わたしには唯一、メンヘラの親族がいます。いや、いましたと言ったほうがいいだろう。死ぬまでを見たということですので、もうこの世にはいません。

 身内ですので、そんな重い話になることもなくユーモアを交えて話せるかと思います。 



 わたしの父親には歳の離れた妹がいます。つまりわたしの叔母でして、まぁその叔母が……いや、そんな大変な人でもないか。

 少し男癖が悪い程度です。

 ビッチ感漂う叔母でした。さすがに今は落ち着いてます。


 昭和の女優のように美人だったんですね。それでよくモテてたというのもあったせいか。

 実際、叔母が男に言い寄られてるところも見たことありますし、反対に叔母がイケメンを見てデッレデレになってるところも見たことがあります。


 わたしの実家は熱海市で、ある事業を営んでまして、そこに働きにきてたイケメンと叔母は恋に落ちました。


 それが叔母の最初の結婚でした。

 しかし、そのイケメンは控えめに言ってもクズでした。

 わたしには優しかったという記憶しかないんですけど、顔がイケメンなだけでした。

 ヤクザに憧れて、盛大に刺青をいれ叔母をガッカリさせるだけでなく、叔母が妊娠するとさっさと蒸発してしまったのです。

 結局、どうなったのか知りません。たぶん、ヤクザに海に沈められたとかそんな顛末を迎えたんじゃないでしょうか。


 叔母は速攻でシンママです。実家に出戻りするしかないですよね。

 そんなわけで、しばらく一緒に暮らしてました。

 4つ下の従妹が生まれました。名前はとりま、ナスビとしておきます。

 実際、ナスビとも呼んでましたし。


 不思議なのは、ナスビって母親も美人で蒸発したクズもイケメンだったのに、何故かブスだった。

 それが本当に不思議でしかたがなかった。

 突然変異という言葉を知るとともに、そういうものかと思ってました。

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