第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【短歌・一首部門】
小余綾香
落ちはぐれ、しるべ顔するアルタイル。限界等級2.0 のアパテイア
落ちはぐれ、しるべ顔するアルタイル。限界等級2.0のアパテイア
※限界等級<limiting magnitude>
観測できる星の等級(暗さ)の限界。
都会の夜空は、肉眼の限界等級<naked-eye limiting magnitude>で4.0(四等星)より明るいとする尺度があります。4.0以上の中に括られる更に明るい都心の、一等星、二等星しか見え難い空も私には身近です。
概ね六等星が人に見える限界ですから、四等星から見えないと星座もかなり省略形な環境。当落ラインに近いと少しのことで見えたり見えなかったりします。このライン上の星には四等星、三等星……の幅では語れない、例えば4.1等星か4.2等星かの物語を私は感じるのでした。
昔ながらの一等星、二等星も言葉として好きですが、星の等級の小数点以下を増やせる今の技術によって、星空がもっと繊細にも無機質にもなれる気がします。
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