第11章 発見
その夜、藤本とカサンドラは冒険者の家に到着し、ロスがドアを開けて二人を迎え入れる。
ロス:ガキ、そんなにたくさんのスーツケースを持って、どうしてるの?
カサンドラ:ここに住むために来たの。他に何があるっていうの?
ロス:とんでもない。ただ、他に部屋が空いてないって言っておくわ。
藤本:わかった。カサンドラは私のチームの誰かと同室になるわ。
ロスは困り果て、カサンドラを受け入れることにした。
藤本とカサンドラは階段を上って部屋に向かう。
藤本:どうしてロスは君を歓迎してくれなかったの?
カサンドラは頭を掻いて笑う。
カサンドラ:それは、あちこちの街で問題を起こしている美しい少女とハンサムな青年がいるからよ。その美しい少女は私で、ハンサムな青年はカイロよ。
それから藤本は小春の部屋をノックする。その時、小春がドアを開ける。藤本はシャナとマックスが小春と一緒にいるのを見て、恥ずかしそうにしていた。
シャナ:もう全部知ってるわ。
藤本:小春、どうしたの?
小春:ごめんなさい。
マックス:早く入って、君とこの子。ところで、シャナのブレスレットは持ってきたの?
藤本:ええ。
それから藤本はブレスレットをシャナに渡し、シャナはそれを身につける。シャナはため息をつく。
シャナ:ふぅ、これで安全ね。
藤本:これで安全ってどういうこと?
シャナ:ドアを閉めて。全部説明するわ。
それから藤本とカサンドラが部屋に入ってきた。藤本がドアを閉めると、3人の女子生徒が片方のベッドに、男子生徒がもう片方のベッドに座った。
それからシャナが全員にすべてを説明する。
藤本:つまり、天使や悪魔、そして幻獣から身を隠す機会を与えるために、エルフからの贈り物としてこれを手に入れたということか?
シャナ:ええ。
カサンドラの目が輝き始めた。
藤本:カサンドラ、どうして魅了されているように見えるの?
カサンドラ:まさかここで現魔王に会えるとは思っていませんでした。
シャナ:でも、どうしてこれが喜ぶべきことなの?
カサンドラ:この世界の四種族の継承者は冷酷な存在だと聞いていたから。特に悪魔や幻獣は。
シャナ:つまり、彼らの言う通りじゃなかったと知って、嬉しいの?
マックス:でも、シャナ、それはおかしい。彼女は嬉しいのではなく、驚きの気持ちでいるはずだ。
カサンドラ:私が嬉しいのは、ずっと私が正しかったからよ。
藤本、小春、シャナ、そしてマックスは混乱する。
カサンドラ「後継者が悪人かどうかは、実際に会ってみなければ分からないって言ったのよ。四つの種族の継承者の中には、きっと清らかな心を持った後継者がいると信じていたの。その通りだったわ。」
シャナは驚き、涙を流し始める。
シャナ「その通りね。どんな人かは、会ってみなければ分からないものよ。」
カサンドラは自分が発見したことを語り、魔法学校から盗んだ本も見せる。
シャナ「つまり、藤本が彼の世界の英雄だと疑っているのね?」
カサンドラ「それに、彼には知らない妹か兄がいるんじゃないかと思うの。」
シャナ「わかったわ。それに、誰にも秘密は隠したくないから、私が調べているのを教えてあげよう。」
マックス「シャナ、小春のこと、彼に教えてあげるのよ。」
シャナ「うん。」
コハル:私のことって何?
シャナ:マックスとクピとの戦いで、最後に覚えているのは?
コハル:フジモトが私を守るために攻撃を受けただけ、だったと思う。
シャナ:実は、クピと戦って、あっさり倒したのよ。
フジモトとコハルは、その出来事に衝撃を受ける。
その時、マックスの肩にドラゴンが現れる。
クピ:そうだ、人間があんな風に私と戦った記憶はない。
フジモトとコハルは、クピが喋っているのを見て驚く。
フジモトとコハル:ちょっと待て、ドラゴンが喋ってる!
クピ:もちろん喋るよ。私たちドラゴンはどんな言葉でも話せる。ところで、私の名前はクピ。
カサンドラ:二人とも知らなかったの?
シャナ:ところで、本題に入りましょう。クピがコハルに負けたのは、コハルが私と似た印章を持っているからよ。
コハル:似た印章?
シャナ:コハル・ユイ、間違いないわ。あなたはコハル・エンジェリックよ。
コハル:どういう意味?コハル・エンジェリック?
シャナ:エンジェリック一族はみんなエンジェリックって苗字よ。コハル、あなたはエンジェリック一族の出身ね。
藤本、コハル、クピ、カサンドラは驚く。
シャナ:それに、あなたは第二世界にいた。ということは、あなたはエンジェリック一族の女王と王の娘、もしくはその近しい人ね。
コハル:ちょっと、私の人生は偽物だって言うの?
藤本:そう思っているのはあなただけじゃないわ。
カサンドラ:それを言うのね。
マックス:それ?
カサンドラ:コハルとシャナ、メニューを開いてステータス名に手を当てて、そこに立たせて。いい?
コハルとシャナは意味が分からないが、とにかく従う。
カサンドラはコハルとシャナの手に触れ、サハクリを使う。青い光が灯る。
コハルとシャナのステータスメニューにメッセージが表示される。
「非表示ステータスにアクセスできるようになりました。」
コハルとシャナ - 非表示ステータス?
カサンドラ:説明しましょう。でも、まずはマックスとクピに説明させてください。
マックスとクピはそれぞれのメニューを開き、それぞれのステータス名に手を置きます。カサンドラはサホクリを使ってマックスとクピの手に手を置きます。二人にも同じメッセージが表示されます。
カサンドラ:どうして自分の隠しステータスを見るのが怖いの?
クピ:大丈夫、私が先に見るから。
マックス:ちょっと待って…
クピ:私のデータも同じよ。
カサンドラ:本当にいいの?あなたのスキルを見て。
クピ:ちょっと待って、未来のスキルの名前が見えるわ。
コハル、シャナ、そしてマックスは驚きます。
するとマックスは自分の隠しステータスを見ます。
マックス:未来のスキルの名前が見えるから、どんなことができるのかもっとよく分かるわ。
シャナは自分のスキルを確認しようとして驚きます。
「名前:シャナ・デーモン
種族:100% デーモン族
両親:リシナ(女)とテトラクシス(男)
年齢:20歳」
シャナ:何これ? 両親の名前や年齢まで個人情報が載ってるなんて。マックスとクピ、お前のには載ってなかったっけ?
マックス:そんな必要ないと思ってたのに。
シャナ:バカ。コハルとお前のも。」
コハルは驚いた。
「名前:コハル・エンジェリック
種族:100% エンジェリック」
両親:ハマリナ(女)とロゼリオ(男)
年齢:17歳
シャナ:あなたのお母さんはハマリナ?
コハル:ええ。その天使は誰だか知っていますか?
シャナ:あなたは天使一族の跡継ぎです。ハマリナは天使一族の現女王です。
コハル、そしてロゼリオは?
シャナ:彼は死んでいます。悪魔と幻獣の襲撃に遭い、殺されました。
コハルの表情は悲しげです。
カサンドラ:真実を知ってがっかりしているのはあなただけではありません。そうでしょう、フジモト?
名前:フジモト・サトル
種族:85% 人間/15% サキュバス
両親:カリナ(女)とフクザワ(男)
年齢:17歳
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