感情とおっぱいは大きい方が好みです ~爆乳のあの娘に特大の愛を~

楠富 つかさ

第1話 武藤和珠音の朝

 私の朝はおっぱいから始まる。いや、授乳ではない。……むしろ、される方に近いかもしれない。


「んむ……むぁあ」


 ここは東海地方某所にある私立星花女子学園の学生寮、私――|武藤≪むとう≫|和珠音≪かずね≫とルームメイト|愛海≪いつみ≫りなの部屋だ。

 私のルームメイトを一言で表すなら爆乳ちゃんだ。おっぱいが大きい。背も平均より10センチくらい大きくて、平均より10センチくらい小さい私は、彼女の胸元までしか背がない。そんな私は彼女の抱き枕と化している。……私と彼女の部屋はベッドが二段ベッドなのだが、二人とも下がいいと言った結果が現状だ。


「起きろ~」


 まるでほっぺたをむにむにするような感覚で彼女の大きな、大きなおっぱいを揉む。りなりーの愛称で呼んでいる私のルームメイトは、パーソナルスペースがないのかってくらい人懐っこくて、ボディタッチにも寛容。

 だからこそ抱き枕にされているんだけど……こんなに可愛くておっぱいが大きくて優しい女の子が、こんなにも隙だらけでいいんでしょうか!?


「んみゅ……今日、お休み……れしょ?」

「そうなんだけど、私は今日部活に行くの」


 足を絡めてがっちりホールドされている私。寝ぼけたりなりーは私の膂力じゃ解けない。腕力は自信あるけど、足回りはかなり貧弱だから、りなりーのむっちり太ももに挟まれたら逃げられない。


「まぁ……ねむい……」


 りなりーに抱きくるめられて、その爆乳に顔が埋まる。十分に夏と言っていい七月、おっぱいの谷間はなんというか……うん、濃厚な匂いが溜まっているわけで、嫌いではないし……むしろりなりーの100%を感じられる匂いなんだけど……それでも、限度ってものがあるわけで。


「起きてよー!!」


 おっぱいに埋まってもがもがとした声しか出ないが、なんとか大声と体全体を揺らしてりなりーを起こす。

 りなりーはよく食べてよく眠る子だから、これが毎朝のルーティンになってしまっている。


「……おはよ、かじゅ」


 りなりーは私のことをかじゅって呼ぶ。まだまだ寝ぼけ眼のりなりーを連れて、寮の洗面所に向かう。休日ということでまだそこまで混雑はしていない。朝の歯磨きを済ませて髪も梳かして身だしなみを整える。

 食堂で朝食を済ませたらいったん、部屋に戻る。……寝起きなのにどうしてあんなに食べられるんだろうか、いっつも思う。

 

「じゃあ行ってくるから。夕方には帰ると思うよ」

「……ん、りょうかい。じゃあ、行ってらっしゃいのキスしてあげるねぇ」


 おでこに軽くキスをされて、私はほっぺにキスを返す。これも、いつもの。

 毎晩同じベッドで眠り、毎朝キスを交わす。けれど……私たちは#まだ付き合っていない__・__#。


「行ってらっしゃい」


 りなりーに見送られて部屋を出る。りなりーといると見失いそうになるんだ、友愛と性愛の境界線を。私にはそこを越える勇気がない。……今はまだ、ね。

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