【完結】港町事件簿 第三巻:絆

第10話 新たなパートナー

桜田製作所の将来を賭けたプレゼンテーションが大成功し、信用金庫からの融資が決定した。これにより、工場は新技術の開発に向けて本格的なスタートを切ることができる。香織と涼介の支援により、一郎たちは新たなプロジェクトに取り組むための準備を急ピッチで進めていた。

桜田製作所の工場内では、一郎が社員たちに向かって熱い言葉を投げかけていた。

「皆、これからが正念場だ。我々の技術を信じ、このプロジェクトを成功させよう！」

一郎の言葉に、社員たちの士気が高まる。技術者たちも、遊星歯車の試作に全力を注ぎ始めた。

その頃、帝都自動車の佐々木課長は自らのオフィスで部下と共に桜田製作所への妨害計画を練っていた。

「まずは、桜田製作所の部品サプライヤーに圧力をかける。納期を遅らせることで、彼らのプロジェクト進行を妨げるんだ。」

佐々木の指示を受けた部下たちは、すぐさま行動に移した。主要な部品サプライヤーに接触し、取引条件の変更を強要し始めた。

数日後、桜田製作所の一郎は、サプライヤーからの納期遅延の報告を受け、頭を抱えた。

「これでは計画が大幅に遅れてしまう…。どうすればいいんだ。」

一方、香織と涼介も状況を重く受け止めていた。香織は信用金庫の会議室で、涼介と対策を練っていた。

「涼介、どうやら佐々木課長が裏で手を回しているみたいね。このままでは桜田製作所のプロジェクトが頓挫してしまうわ。」

「そうだね。僕たちも何か手を打たないといけない。」

香織と涼介は早速行動に移した。信用金庫のネットワークを使って、信頼できる新しいサプライヤーを探すために、地道な調査を開始した。

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数日後、香織と涼介は東京にある技術展示会に足を運んだ。そこには、数多くのサプライヤーが最新の技術を披露していた。二人は展示ブースを回りながら、可能性のあるパートナーを探していた。

「涼介、この会社はどうかしら？高精度の加工技術を持っているみたいよ。」

「確かに、彼らの技術なら遊星歯車の部品を製作できるかもしれない。」

香織と涼介は、そのサプライヤーのブースに立ち寄り、担当者に声をかけた。担当者は親切に対応し、彼らの要望に耳を傾けた。

「桜田製作所という小さな工場ですが、技術力には自信があります。私たちと協力して、新しいプロジェクトに取り組んでいただけませんか？」

担当者は興味深げに話を聞き、前向きな返事をした。

「具体的な提案をいただければ、検討させていただきます。ぜひお話を進めましょう。」

その夜、香織と涼介はホテルに戻り、展示会で得た情報をまとめた。彼らは新しいサプライヤーとの交渉に向けた準備を進め、桜田製作所に戻った。

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桜田製作所に戻った香織と涼介は、一郎に新しいサプライヤーとの交渉の成果を報告した。一郎は喜び、感謝の気持ちを表した。

「ありがとう、香織さん、涼介さん。君たちの努力で、新しい希望が見えてきた。」

桜田製作所の技術者たちも、新しいサプライヤーとの協力に期待を寄せた。

「これでプロジェクトを再び軌道に乗せることができる。皆で力を合わせて、この挑戦を成功させよう！」

香織と涼介は一郎の言葉に力強く頷き、新たなプロジェクトに向けて全力を尽くす決意を新たにした。

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桜田製作所と新しいサプライヤーとの協力が始まり、プロジェクトは再び順調に進み始めた。一郎は工場の現場で、社員たちと共に汗を流しながら作業を進めていた。

「このプロジェクトが成功すれば、桜田製作所の未来は明るい。皆で力を合わせて、絶対に成功させよう！」

社員たちは一郎の言葉に応え、全力で作業に取り組んだ。香織と涼介も、彼らの姿に感動しながらサポートを続けた。

一方、佐々木課長は桜田製作所が困難を乗り越えたことを知り、焦りを感じていた。

「奴ら、やるな…。次の手を考えなければ。」

佐々木の冷たい眼差しが、次なる妨害工作を示唆していた。