第15話 立ち入り禁止

 午後12時


 松の木の下に多数の警察官と鑑識者、関係者が集まっていた。

 隊長 美代の言葉から、あれよ、あれよと警察に通報し、昨日、勝也達が掘っていた場所が調べられている。

 辺りには、立ち入り禁止のテープが張り巡らされている。

 無事でなかったのは、酒田辰之助であった。

勝也達が、何故この場所を掘ったかは、辰之助の〝地図〟から始まった事であるからである。


 1時間後


 その場所から、たしかに白骨遺体がでてきた。

また、一丁の拳銃もでてきた。

 そばにいた、酒田辰之助や勝也達、また、親達に警察官がよる。

「酒田辰之助さん、事情をお聞きしたいので、署まで同行いただけますか?」と警察官が辰之助に、任意同行を、求める。

辰之助は、「ワシは何もしらん!嫌じゃ!」と抵抗するが、警察官は、「じゃあ何故?あんたがこの場所を知っているんだ!」と半ば強引にパトカーへ乗せた。

酒田は、「爺ちゃん!」といつもの倍は鼻水を垂らしていた。

「ワシは知らん!」と訴えるが、風に乗り言葉は中を舞う。


 立ち入り禁止のテープの外には、与島太助の姿もあったが、手で額を抑えて事態を見守るだけであった。

 パトカーの〝背〟を見守る美代をはじめとする5人の子ども達も途方にくれた。


 そんな、事件現場を5人の〝漁師〟が、加えタバコでコソコソ話をしながら、見つめていた。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る