第24話

「ぽち、買い物行くで!」

 夏休みに珍しく早起きしたかと思えば、青は唐突に言った。

 買い物って言われても、俺はどのみち店の中に入れないんだから、ひとりで行けばいいものを。

 もしやこいつ、買い物ついでに散歩をする気だな?

 ……いつもと違う風景が楽しめていいかもしれない。

 そんなこんなを考えていると、青の準備が整ったらしく、家を出た。

「悪いな、ぽち。普段通りの買い物ならひとりで行くけど、今回ばかりは、そういうわけにはいかないねん」

 ……? 俺がいないと成立しない買い物?

 はっ! まさか買い物というのは噓で、動物病院に行くつもりか!?

 ただ病院行くだけならいい。だが、注射があるなら話は変わってくるぞ!

「ぽちを電車とかに乗せるためのケージが壊れたんや。サイズ確認に付き合ってもらうで」

 紛らわしい奴だな!

 まったく、青は本当にまったく!

「しかし、今年もおばあちゃんの家行くんやな。田舎過ぎてやることあんまりないのがなぁ……」

 基本的にお前は、年がら年中寝て食って寝てるだけだぞ。

「まぁ、でも退屈は贅沢とも言うらしいしな。贅沢を満喫しに行こか」

 いや、青の場合は、年中退屈を満喫しているから、大して変わらんぞ。

「お、着いたな。ペットショップ」

 ……なんか疲れた道中だったな。

「よし、飛行機のファーストクラスの席並みにいいケージ買おうや。そして、新幹線の他の乗客をビビらせるんや。優雅な旅が始まるで!」

 それだと、優雅なのは俺だけじゃないか?

 ……いや、それはそれでありか。

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