第119話 友の復活
ついに七つの
これで俺達の願いも叶うはずだ!
クシャルト大陸とアラーユ大陸の間にあるウボウフ海峡での、シーラと聖竜王ファーヴニルによる後処理も終わったので、再び針路を南西にとる。
飛空艇ミューズ号は順調に進み、最後の一つ
「「とまりなさい」」
「「おはいりなさい」」
双子の精霊セイとレイのお決まりのセリフを受けながら祠の中に入ると、今回手に入れた
「「おお! 七つの
しばらくすると神鳥の卵に赤、橙、黄、緑、青、藍そして紫の、合計七つの色の光が柔らかく降り注ぎ始めた。とてもあたたかくて心地良い光だ。
別々だった七つの光はだんだんと一つにまとまっていき、輝く虹色のシャワーとなってより強く、あたたかく神鳥の卵へと降り注いだ!
カッ!!
目も開けられないほど、より強く瞬間的に輝いた!
いよいよ神鳥の孵化が始まる!
……しかし神鳥の卵にはなんの変化もなかった。
あれ?
ゲームでは、この後に火の鳥の復活ムービーが流れるはずなんだけど……?
「「なんということでしょう」」
双子の精霊セイとレイが
なんだ!?
どうなっているんだ!?
「「あの地脈を通じての神鳥の卵への攻撃は、わたしたちが思っていたよりも、大きく卵の中の神鳥の魂を傷付けていたようです。神鳥の魂の鼓動が弱まっています。このままでは千年待っても神鳥の孵化は始まらないでしょう」」
「な、なんだと!?」
「それじゃあザックは……」
「なんとかならないものだろうか!?」
「ザックとせかいはどうなってしまうの?」
「千年も待てないにゃ」
とんでもない事になってしまった。俺達のザック復活の最後の望みは絶たれてしまったのか?
インベントリから取り出したザックの
「ザック……」
手のひらに
今度はなんだ!?
「「おお! 神鳥の魂と、その
「え!?」
何が起こるか分からないのは怖いので、慌ててザックの
「あ!?」
ぶつかったかと思いきや、ザックの
神鳥の卵に再び七つの光が降り注ぎ始めた。
七つの光はだんだんと一つにまとまっていき、輝く虹色のシャワーとなってより強く、あたたかく神鳥の卵へと降り注いだ!
カッ!!
目も開けられないほど、より強く瞬間的に輝いた!
ピシッ! ピシピシッ!
卵の殻に次々にひびが入っていく!
神鳥の
ピシッ! ピシピシッ! ピシッ!
「ピエェ〜〜!!」
産まれた!
ついに神鳥が復活した!
大きな大きな赤いヒナが
神鳥のヒナは、「ピエッ!」と一声鳴くと、よちよち歩き出し、
しばらくすると、神鳥のヒナの体がカッ! と光り、少し大きくなった。大きくなった神鳥のヒナはたくましい足どりで、橙、黄、緑、青、藍と次々に
一つ
そして最後の
大空を舞うのに適した雄々しいフォルムをしており、体色は燃えるような赤だ。『火の鳥』『不死鳥』と呼ぶにふさわしい見た目になった。
だがザックはどうなってしまったのだろう。
「こんにちは神鳥さん……俺の事がわかるかな?」
かすかな期待を込めて、おずおずと尋ねてみる。
「ぴえぇ〜!」
「あなたは神鳥なのかな」
「ぴえぇ〜!」
頷く神鳥。
「それとも……ザック?」
「ぴえぇ〜!」
再び頷く神鳥。
神鳥でもありザックでもある……ということかな?
都合が良すぎる解釈だろうか?
急に神鳥の体がカッ! と光ると体が縮んで、チョコザ程の大きさになった!
神鳥が俺にすり寄って来た。ザックをいつも撫でていた時のように撫でてみる。
「ぴえぇ!」
嬉しそうに鳴く神鳥。
「ザック。って呼んでもいい?」
再び、嬉しそうに鳴く神鳥。こくりと首を縦にふり頷いている。
「ザックぅ〜!!」
涙が溢れてくる。身体は違うかもしれないが、ザックが蘇ってきてくれた。うぅ……言葉にならない嬉しさがある。
チョコと、シーラがザックに飛びつき、もみくちゃになっている。エリー、イーリアス、ミーニャも涙を流して喜んでくれている。
『チョコザ』のザック改め、『
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