第162話八岐大蛇15
ー病院ー
八岐大蛇の復活から一月がたった。
あれから負傷者をつれて協会の傘下の病院へ行った月兎達はほとんどが入院することになった。月兎も一週間検査入院をし、雫・木野山は二週間入院することになり他の知り合いで言うと土屋がいまだに入院をしていて本郷は三日ほど入院をしていた。
皇居や皇居周辺はボロボロになり修復を急いでおこなったが直しきれず直せなかった場所は工事や火事・廃ビルの急な爆発など様々な理由を付けて立ち入り禁止としていた。
ガラガラガラ
「失礼します。」
「あぁ。月兎君ですか。」
「はい。神父は目大丈夫ですか?」
「何とか普通に見えるようになりました。」
月兎がやってきた病室には目を包帯で隠した神父がいた。
神父はあれから目で見たものを燃やしてしまう様になった。いわゆる魔眼であり、過去に月兎が話した魔眼使いは生まれた時から魔眼であったが神父は急に魔眼になったためいまだに上手く使いこなせないため急に周りのものを燃やさないために目を包帯で覆っているのだった。
「しかし特急も幹部も減ってしまいましたね。私もしばらくは復帰できないですし。」
「そうですね。無傷の方は神主一人ですもんね。その神主も今すごい忙しそうですしね。」
あれから特級と幹部の捜索がおこなわれたが源弟と忍びがしらは行方不明で亡くなったと言われている。
将軍と宝樹院はボロボロの状態で寝ているのを発見され源兄は力の使いすぎでしばらくは一般人ほどの力になっているそうだ。そして和尚は月兎達の目の前で八岐大蛇食べられてしまい。天海は倒れこそしたが怪我などはしておらずもう少しすれば完全復帰すると雫がいっていた。
「しかし特級で今動けるのは天海様ぐらいで幹部も神主だけ。源様や宝樹院様はいずれ復帰できるが将軍もこれで引退。幹部の補充が急務ですが進展はありましたか?」
「とりあえず今後復帰も難しい幹部の席は三席。そのうち一席はイタコのオババが復帰することになりました。」
「おぉ。であれば実力・影響力共に言い選択ですね。」
「もう一席は本郷さんがつくそうです。」
「八岐大蛇の頭を一つ捕まえたと聞きました。素晴らしい人選です。最後の席は?」
最後の協会幹部の話しになると月兎はとたんに苦虫を噛み潰したような顔になりながらな神父に
「最後の一席は今のところ埋まっていません。物理的な術士をいれるべきと言う声やこの機会にアイヌから幹部へいれるべきと言う声が上がっています。」
「なるほど。」
「しかし具体的に名前が上がっているのは海野家の一さんと雲居家の圭さんですね。」
「うぅぅぅぅぅぅむ。かなり難しいな各所との連携は難しいですね。」
「はい。」
月兎から現状を聞いた神父は深く考え出した。重くなった空気を変えるために月兎が
「そういえば巫女さまはどうしました。」
と聞くと
「いまだに目を覚まさないようです。しかし生きてはいますしどうやらそのうち目を覚ます予定だそうですよ。」
そう神父に返された。
「そうなんですか。」
「何かあったの?」
「い、いえ。さすがにあの力はまた直ぐに使えないだろうなとは思ってましたがここまで大変だとは思わなかったのでビックリしたんです。」
「確かにそうですね。今は特級が動きにくいですからなるべく早く治ると良いのですが。」
そうしばらく二人で話した後病室をでた月兎は自分の会社に向かった。
ピピピピピ
ガチャ
『あ、先輩?営業周りどうですか?』
「あー、うん。まぁぼちぼちだよ。それよりわざわざどうした?」
『あの相沢病院との契約について相談したいことがあるんですけど。』
「わかった。今から会社戻るよ。」
『お願いします。』
ピ
「フゥー……良し!仕事頑張るか!」
月兎は術士と言う非日常の世界に関わることで今ある日常という幸せを感じその日常を守るためにも術士としての決意を新たにするのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます