ひらがなあいす
御願崎冷夏
第1話 まっしろなのぉと
まっしろで
なんにもなくて
くうはくで
なにもかかれていなくて
そこにわたしは
もじをうみだす
それはほとんどかってに
うまれてくる
おぎゃあ
おぎゃあ
おぎゃあ
ぎゃあぎゃあ
ぱらりぱらりとおちてくる
あめのしずくみたいに
しずくのひとつひとつに
とてつもないなにかがいる
とんでもないかいぶつもいる
ときどきわたしは
そのなにものかに
たえられなくなって
うまれてきたもじたちを
またまっしろにする
まっしろで
なんにもなくて
くうはくで
なにもかかれていなくて
とてもきれいで
すがすがしくて
わくわくしてくる
まっしろなのぉとは
わたしの
たからもの
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