第2話

俺はどうやらまた気を失っていたようだ。


「・・・」


嘘だろう??


つかいつからなんだ??


「・・・」


携帯に電話が鳴ってきた。


妹からだった。


『お兄ちゃん、ごめんなさい。』


「・・・何を急に謝ってるんだよ?」


現実を受け入れられない・・・


『お兄ちゃん、本当にごめん。大変なことになっちゃって』


「嫌だから、大変なことって」


『実はね、お母さんが・・・お父さんとのじゃない子を妊娠して』


・・・っ、


「・・・それでね、その相手が有名な人で」


ニュースで言っていた。相手は俳優で有名な人だったの


「ごめんね。それでお兄ちゃんをしばらく会えなくて」


すごく胸が痛いけど・・・同時に、もしかして


「・・・俺もニュースで見た」


「・・・っ、お兄ちゃん、信じて」


「・・・何を?」


「私は何もしてないから・・・本当だからね」


「・・・そ、そうだったんだ」


辛い事実が一気に押し寄せてきたけど、俺は安心した。


でも、つまり


「じゃあ、お姉ちゃんの方は」


「・・・それは・・・その」


つまり、言えないようなことだったのか・・・そんな、


吐き気がする。気持ち悪い・・・


義姉が俺のことを誰よりも一番大切だと言ってくれたお姉ちゃんが


一番愛していると言ってくれたのに・・・


「でも、その無理矢理で脅迫されてだから責めないであげて」


「・・・そうなのか、わかった。」


違う。そうだよ。


今の一瞬で自分がすごく馬鹿でダメな男だと思った。


俺は何も気づかず、今の今までニュースの情報だけで、勝手に二人があの俳優とした勘違いしてしまった。


くそ、ゴミかよ。大切なお姉ちゃんと妹を疑って


「・・・だからね、お兄ちゃん。私は愛してるから、例えこれからどんなことが起きてもそれは信じ・」

 

そして、妹がその言葉を言おうとした瞬間、


またニュースには娘とのやり取りについて話し始めた。

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