(6)君のいない世界

① 

駅へと続く道  留守電に残るボイス    

信号待ちの人ごみ  すれ違うビルの谷間 


目に映る景色は昨日と変らないのに

君だけがそこにいない


こんな日が来ることは 分かっていたけれど

気がつくといつも探している


木漏れ日の坂道  賑やかな駅のホーム

噴水のある公園  初めて会ったカフェテラス 


涙がこぼれないように 空を見上げている 




 はにかむ唇と  風に舞う長い髪  

 岬へ続く砂浜  照らしてた夏の光


思い出はこんなにも 切なく鮮やかで

君だけがここにいない


もう一度逢えたなら その時は伝えよう

「愛してる」 「君を愛してる」と


鳴らない着信音  色の無いアスファルト

ひとりっきりの街角  冷たい雨に濡れながら

  

優しいあの微笑を思い出している 

美しいその面影を抱きしめていた


君のいない世界・・・





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