第18話 ジード盗賊団壊滅!

 ルイさんとエマさんが呆れている中、1人だけ反応が違う。


それはスピカさんだ。


光の剣聖というのはそんなに凄いことなんだろうか?


両手を上げながら凄く興奮している。


「なんだっていいのよ! ハイド様~早くぶったおしちゃってください!」


「おぉい! アンタ手のひらひっくり返し過ぎやろ!」


「ジード、僕は命を取るつもりはない、神木の女神像を教会に返してください、僕の仲間を侮辱したことも謝るんだ」


「ふん、嫌だと言ったら?」


僕は鋭くジードを睨んだ。


「容赦しない」


ジードは体全体で笑った。


「はははっ、面白れぇ、やってみろこのクソ勇者が!」


突進してくるジードの攻撃に、僕は剣を合わせた。


金属のぶつかる音が響き、火花が飛び散る。


剣を滑らして、ジードの攻撃の威力をいなし、


ジードの斧は地面に突き刺さった。


「ぐっ、ぬ、抜けねぇ!」


「終わりだ!」


「ぐあぁ……なんてねぇ!」


ジードは斧を勢いよく抜き、僕の腹に斧を振りぬいた。


咄嗟にかわしたが、腹に切り傷ができてしまう。


だが、問題ないこの程度の傷なら……


「はーはっはっ! 光の剣聖も大したことな……い?」


「なに? 傷が塞がれていくやん?」


「聖剣、エクスカリバーは持ち主の傷をたちまち治すと聞いたことがあります。まさに勇者に相応しい剣ですね!」


傷が癒えた僕はすぐさま攻撃態勢に入った。


ジードは状況を理解できない、今がチャンス。


「ま、待って、待ってくれよ! 返す、返すから!」


「もう遅い!」


「うわぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!」


僕は目を瞑るジードの後ろに回り、剣をクルッと回して柄で首を強打した。


「うぐっ!」


ジードは白目をむいて、その場に倒れこんだ。


「嘘……ジード盗賊団を1人で本当に倒しちゃった!?」


「待って、ハイドさん強すぎやろ? パーティ組む必要あるん?」


「あぁー! さすがですハイド様!」


ルイは感極まったのか、僕に勢いよくダイブしてきた。


「おぉ、大丈夫でしたかルイさん」


「はい! それよりも私達、S級クエストを完了しましたよ!」


「そうやな、まぁ、全部ハイドさんの力やけど」


「そんなことはないですよ、皆さんが仲間だからこそ、僕は戦えたんです。ありがとうございます」


僕は3人に深く感謝した―――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る