羽根つき餃子

望月(もちつき)

羽根つき餃子

パリパリした羽根は箸で簡単に破られる

気泡がたくさんあって、やわくてもろい

小麦粉に包まれた肉は口に運ぶ前に汁がこぼれる


ふわふわした卵は味噌汁の中で豆腐を包んでいる

添え物のレタス、みずみずしさは消えてしまった


味噌汁をわざと残す

冷たくなった汁は、味噌が底に沈んで、水と曖昧な分離


そんな弱い羽根なのに

結局むしられてしまうのに

どうして羽を伸ばすの

飛べないのに、羽をつけた餃子


もしかして、わざと大きく魅せようとしてる?

見栄を張っているの?

水餃子でもない、焼き餃子でもないって


そんな薄い羽でもアイデンティティが欲しいんだね


わかったよ

名前をあげよう


餃子じゃなくて

「羽根つき」餃子

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