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第1話 5/22

絶望の谷間を歩み、天の日差しを浴びて、自らの吐いた唾に泣く。

天はなぜ俺を見放した。

底無しの絶望の嘆きは共鳴し、地獄への道を明るく照らす。

宇宙に漂う声という声を聞き、聖人君子の成れの果て。天に見放され、天を呪い、また、地獄のるつぼに落ちてゆく。

転生輪廻の元、天明自然の理にかかれば、無限地獄の道は修羅の味を彷彿とさせ、重罪人の心を癒すのは安楽浄土の心持ち。般若心経による悟りの道は闇と同化し、色即是空と観るは己の心のみ。

躁鬱の繰り返しと適応障害の患いに気狂いを発して、庭を荒らす酒乱童子とはこのことか。

芥川の蜘蛛の糸は手をかすめ、阿弥陀如来の涙が鼻水とともに流れ落ちる。

天の網の上で自滅を繰り返す。乖離と自殺衝動が苦となり、魔の力に魅入られ、正気の沙汰を失う。

花は咲いている。