せっかく悪役になったからやりたい放題やってみる

くろみつ

第1話 目覚め

前書いてた物語が上手く書けなかったので同じような設定で書き直してます!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


どれだけ眠っていたのだろうか。目が覚めるとそこは知らない天井だった。いやまじで、ここどこだ?


まわりを見渡してみる。煌びやかな装飾が施された部屋。

どうしてだ?なぜ俺はこんなところにいる?

途端、これまで経験したことのない、得も言われぬ様な頭痛に襲われた。

瞬間、自分が何者なのかを二つの記憶から思い出した。


1つは恐らく転生前の記憶なのだろう、どうやらかなりはまっていたゲーム、【マジックラブ】の世界に転生したようだ。主人公の通う学園をぶたいとしたR18のゲームなのだが、ストーリーの作りこみやRPGゲームとしての完成度が高く一部ネットではシーンはおまけと言われるほどだった。普通は喜ぶべき状況なのだろう、しかし今回に限ってはそうでもないようだ。

俺は物語終盤でラスボスの手先となり主人公に殺される男

レオン=ギルバート に転生したのだった。


ゲームでのレオンは幼いころから才能が有りそれに加え銀髪に青い目の誰が見てもイケメンという顔を持っていた為、性格は傲慢で周りの人物から嫌われていた。更には自分の婚約者を奴隷のように扱いそれを見かねた主人公に決闘を申し込まれ結果、婚約者と尊厳を失うこととなり、魔王の手先となるのだ。


そしてもう1つの記憶は俺が転生する前のレオン、生まれてから既に10年が経過しているようだ。そこにある10年分の記憶は、何ともまぁひどいものだった。使用人たちへの横暴な態度、パーティーでの周りの子供を馬鹿にするような発言、まるで自分が一番偉いとでも思っているようだった。


正直学園に入学するまでに悪評を何とかするのはかなり困難な道のようだ。婚約者とはまだ会ってないようだがこのままでは何らかの他の要因で主人公達に殺される、なんてことも有り得てしまうかもしれない。本来死ぬはずのが生きている、それをこの世界が許すのかが不安だ。

学園に行かないというのもその他で死ぬ要因があるならまだ知識のある学園に行った方が対策しやすい。なので俺は悪役として学園に通い、その上で主人公に勝てば良いと思った。


俺がそう考えたのにはある理由がある。それは1つの公式設定だ。ネットでも散々言われいたことだがポテンシャルだけでいうとレオンは他の追随を許さないほど飛び抜けているのだ。才能に溺れ、努力をしなかったから主人公に負けた、と。裏を返せば努力をすれば主人公に勝つことができるのではないか?


今後の方針を決めていく。

とりあえず悪評が広まっているのは諦める。学園に入る俺が真人間だと世間に認めてもらうのには時間が足りない。ならばあからさま態度を改めるのも時間の無駄、と言う事だ。

なので学園に入るまでの5年間をひたすら自分が強くなる為だけに時間を使うことにすると決心した。


その瞬間という頭の中で俺の意識と元々のレオンの意識が1つになった気がした。

少し気になったが俺がやる事は変わらない。思い立ったが吉日という言葉もあるので俺は早速強くなる為の準備に取り掛かった。


俺の専属のメイドであるメーナという俺と同じ位の歳の赤髪の少女を部屋に呼びつけた。


「レ、レオン様、メーナです。失礼します」

酷く脅えているな、今までの俺のせいだろう、可哀想に。しかし優しくしようという気持ちは湧いてこない。


「あぁ、明日基礎的な魔法理論の本と各属性の第1階級の魔導書を持ってきてくれ」


「わ、分かりました。必ず準備しておきます。」


この世界の人間は基本の六属性(火、水、風、土、光、闇)のいずれかの適性を生まれながらに持つ。それか稀に特殊属性、言うなればその個人のオリジナルの属性を持っている。

俺は特殊属性の中でもかなり異質な性能で努力すれば最強の名は伊達では無い。

俺の特殊属性は《模倣》なのだ。1度見た、もしくは見た事のある事象を自分の技量が追いつく限り再現出来る。チートと言われても仕方ない。公式の設定だ。

ゲームではレオン自身の技量が足りず主人公に負けたが今から技量を磨けば負けるはずがない。

その為まずは魔法の理論をより深くするための基礎的な魔法理論の本、それと各属性の第1階級の魔法を覚えることから始める。


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基本属性の適性の複数持ちはこの世界では珍しくありません。例えば火と水、風の適性持ちとか。使える属性の数が増えれば増えるほど珍しくなっていく感じです。







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