地球美術館

山入端やまのはから漏れ出る金色こんじき

空の水色が交わる辺りに

糸のような白い三日月が浮かんだ


桜色の光沢の夕暮れ雲は

文字のようにも見えて

読み解くうちに形を変える


暮れなずむ空の明るみに潜むのは

吟遊詩人の寂寥せきりょう

原初の光への郷愁


刻々と変わりゆく空の色


やがて紫の粒子が下りてきて

その密度がいや増し

月がくっきりと黄色くなるころ


空の鑑賞時間は終わり

山辺に灯が点り始める


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16817330665842899791

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