詩集◆足もとの蒼穹

紅瑠璃~kururi

DNAの夢

絡み合った二重螺旋を

ほどいてつなぎ合わせると

200億キロメートル


核酸をビーズのように連ねて

空をつきぬけ

無窮むきゅうの宇宙へ飛翔する


闇のまにまに命のビーズが

きらめく


時間のない宙を

銀河の渦をくぐり抜け

重低音のブラックホールを

消滅してゆく星たちの墓場を抜け


カラフルな星雲の絶壁で

原始星の誕生を眺める


記憶が意味をなさなくなる

忘却の淵が存在するのは


想像域の先の

幻想域の先の

妄想域の先の先


地球の存在が幻となり

ついには消えてしまう

幽遠の時空へと

DNAは旅をする


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818093077819693659

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る