79.遊ぶ予定

 帰り道で、春乃さんと別れる所になったので、春乃さんと別れて、僕は、陽葵さんと家まで帰っている。


 ブー♪ブー♪


 スマホが2通のメッセージを受信した。


 メッセージは、春乃さんからだった。


『 (はるの) 詩季くん。スパッツの事は、忘れてね』


 相当、恥ずかしかったのだろう。メッセージでまで、念押しして来た。


『 (はるの) 生徒会では、一緒に頑張ろうね。少し、悔しい部分もあるけど』


 春乃さんは、何やら悔しい思いをしているようだが、同じ1年生の生徒会メンバーとして協力していけたらと思う。


『 (白村詩季) 一緒に、頑張りましょう!スパッツは、努力しますが……』

『 (春乃) 詩季くんの意地悪〜〜!』


「何見てるの?」


 スマホへの返信していると、放置されていた陽葵さんが、構えと言わんばかりに話しかけてきた。


「陽葵さんが、春乃さんをイジメたので慰めていたんですよ」

「イジめてないよ!春乃ちゃんが自爆したんだよ」

「そうするように、導いたのは?」

「……私です……」

「よろしい」


 春乃さんの純粋さは、好ましいと思う。陽葵さんとは、また違う女性だ。


「陽葵さんみたいに、僕ならスカートの中見られても平気とは限りらないんですよ?」

「むぅ~~詩季くん。私は見せたりしているけどさっきの春乃ちゃんしかり奈々ちゃんのシャツ直しも普通に見てるでしょ?春乃ちゃんに関しては、ラッキースケベ、キタァ~~とでも思っていたんじゃないの?」


 この女はぁ~~絶対に、羽衣に何か吹き込まれているに違いない。


「そりゃ、見ちゃいますよ。春乃さんのスパッツは、コメントしませんけど……スカートの中に体操ズボン履いていたとしても、男の子からしたら意味合い変わって来るんです」


 この言葉で理解して欲しい物だ。


 体育の時間に見せている物だったとしても、体操着でのズボンと制服とセットの体操ズボンでは意味合いが変わって来る事を。


「ふぅ~ん。なるほどねぇ~~」


 あ、ダメだこれ。


 何か、作戦を考えている眼だ。


「じゃぁ、詩季くん。私もスカートの中スパッツにして見せたらそう言う感情になるの?」


 どうにかして、この話を止めたくて仕方が無い。


「なりますよ。男の子ですから。……ていうか、しないいでくださいね?振りでは無いですよ!」


 陽葵さんの場合は、何で、自分から見せる前提になっているのか。春乃さんは、偶然の産物で見えてしまった事が……


 ゴホン!


「陽葵さん、何回も言いますが、僕だって男の子なんです。そう言った言動は――」

「――男の子だって解っているよ。ラッキースケベを嬉しいと思う男の子だって。だからこそ、取ってんだけどねぇ~~」


 何だろう。


 僕が悪いみたいな空気になっている気がする。


 とにかく、話題を変えよう。


「陽葵さん。この話題やめませんか?」

「じゃ、これだけ、答えて。私のスパッツ姿見たい?」


(何で、そこに拘るんだよぉ~~~~~)


 心の中で、六甲山に声が当たって跳ね返ってくる山彦という現象が起こるレベルで、声を上げておく。何か、ここで、適当に答えても意味が無い気がするので、念押ししておくか。


「見たいですけど、僕と2人きりのときにしてくださいね。ていうか見せないで下さいね!」

「はぁ~い。まぁ、スパッツになるのは、詩季くんの前だけだけど……」


 この念押しに、何か、意味があったのだろうか。ない気がするのは、僕だけじゃない気がする。


「陽葵さんは、夏休み、家族旅行とかに行くのですか?」

「今の所、その予定は無いかな?もしかしたら、お盆に祖父母宅に帰省するかもしれないけど」


 僕は、1つ夏休みにしたい事があった。


「良かったら、2人で何処かに遊びに行きませんか?」


 陽葵さんと2人で、遊びに行きたかったのだ。


「……え、いいの?」

「……嫌なのですか?僕は、2人で遊びたいから誘ったのですよ」

「うん、いきたい!」


 さっきまでの意味が解らない感情から嬉しそうな感情を見せている。


「何処に行きたいとかありますか?」

「詩季くん、考えてないの?」

「誘って、OK貰えると思っていなかったので」

「じゃ、一緒に考えて行こう!」


 夏休みの予定は、生徒会・皆と遊ぶ・陽葵さんと遊ぶ・羽衣の帰国になった。


 羽衣の帰国は、お盆が開けたタイミングになったと聞いた。


「陽葵さん、楽しみですね」

「私も!」


 2人で、何処に遊びに行きたいかを話していると、家に到着した。


「おかえり、詩季」


 丁度、郵便物を取りに出て来た静ばぁが、出迎えてくれた。


「陽葵ちゃん、良かったら昼食食べていきな?」

「良いんですか!」

「えぇ、どうぞ。詩季の食が細いから余っちゃうのよ」


 静ばぁから、もうちょっと食べて欲しいという目を向けられている。

 これは、陽葵さんからも直々言われている。


「食べられる量を増やせるように努力します」

「「よろしい!!」」


 静ばぁと陽葵さんの声が、ハモったのは、何だが、納得出来ないが、陽葵さんを家にあげる。


「お昼ご飯は、カレーですか?」

「そう、カレーとサラダ!食べなさいよ?」


 普段ならカレーだけだった。


 しかし、静ばぁは、サラダのお残しも許さないようだ。


 まるで、以前、陽葵さんとイタリアンを食べた時みたいだ。

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