4れいやーど、つー。

:闇よりも暗い漆黒の群れ・・・

:まだ遠いのにめっちゃ沢山居るのだけ分かる

:この距離でブンブンうるさいのどんだけだよ

:というかコレ本当に討伐クラスBなの!?

静寂蜂サイレント・ビー、湖畔エリアを縄張とし地上での交戦を想定してB。環境エリア難易度クラスの相関関係については・・・門外漢だ。

:ほなとりあえずクラスBか〜

:素人意見で恐縮ですが、洞窟のような閉鎖空間ではレイドPT混合編成が機能せず、最大4人パーティ単体でしかクエスト受注出来ません。そのような少数精鋭が求められる時点で討伐クラスは上昇します。

:ほなクラスBとちゃうな〜

:素人ニキもよう見とる

:どう見ても素人じゃない件


「……あ、あのー、

……リスナーのみんなー?

こちら現場からですが、

すごくやばそうなんすけどー?」


:ワイもやばいと思います

:私もやばいと思います。続けますね。足場が悪く、逃げ場も無く、崩落の危険性有り。そして博識さんがご存知でない初見殺しぷりも加味すると・・・少なく見積もっても査定は2段階上昇、討伐クラスSに相当しますね。

:ほなクラスBどころちゃうやんけ!

:下層のフロアボスかな?

:ここ中層の入り口ぞ?

:このレベルになってくると2人はキツイですねえ

:マネちゃん込みは実質ソロ

:さっきから塩さんも動いてないけど?

:塩さんはマイペースだからな


「——んも〜!!

リスナーのいじわるさん!

少しは心配してくださいよー!」


:マネちゃん涙目になってる・・・

:おいたわしや・・・

:まあこの現場に放り込まれたら俺ら漏らしてるよ

:それはそう過ぎる

:素人の見解になりますが普通に緊急クエスト案件ですね。

:《【C.O.O.シーオーオー】マネちゃんを安心させてあげて。そっと手を繋いであげるの》


〈わかった〉


おてて、つないだ。


「……ごめんね、くーちゃん。

私、心配で、怖いの」

〈しんぱいと、こわい。ふたつ?〉

「うん……」


アイカ、クゥの手をギュッてしてる。


「もし蜂さんたちが1匹でも……

ココ入り口を通り抜けたら……

上層まで行ったら、って考えると……



とっても心配で、すごく怖いの……」


:中層モンスと新人のエンカ遭遇はやべえわな

:フツーに死ぬ

:というか自分の心配じゃなかったんだ・・・

:マネちゃん聖人すぎる・・・

:塩さん強すぎてリスナーの感覚が麻痺してる件

:実際どうにかなっちゃうからな・・・

:正直どうにかなるんだけど、それでも変わらずに居てくれるマネちゃんにみんな救われてる

:本当どうにでもなるんだけど、そんなマネちゃんだからこそ塩さんも健やかなんだよな

:俺らに出来る事なんてラジコン指示厨ぐらいしかないけどさ

:《【C.O.O.シーオーオー】マネちゃん安心させたげて。サイレント・ビーの群れに勝てるなら、空いてる手で大丈夫Goodのポーズ》


〈ぐっ〉


背のびして、親指でぐっと。


「……くーちゃん?」

〈アイカ、だいじょうぶ。

ハチさんの群れ……ううん、




——




れいやーど、つー。




戦闘律覚醒アクティベート

Run起動】—

—【空間予測演算パーフェクション】要求分析:サイレント・ビーの群れを殲滅——


—【分析完了パラメトライズ

Parallel並列起動】—

—【運動最適化パーソナライズ自動選択オート・テリック】——




〈みんなみんな、ぶしゃぶしゃにする〉




《——クゥ、疾走。》

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