つよつよポンコツ無感情ロリを全力でラジコン介護するダンジョン配信〜リスナーさんの言うこと、なんでも聞く〜
電磁幽体
赤色の瞳、心は水面に揺れてゆく・・・
#1けーやくせーりつ。
深層環境に適応した最強の探索者を作りだす——【迷宮の申し子】計画は順調に進んでいた。
検体名【
そして培養槽越しに初めて目が合ったのは……組織に拉致され五徹で働かされ続けた、限界寸前の超天才科学者(18歳女性)だった。
〈めいれい〉
「私はメーデー!メーデー!」
〈おしえて〉
「な〜んでもい〜のお?」
〈なんでも〉
「じゃあぜーんぶ壊して!」
〈わかった〉
——そして組織は壊滅した。
完膚なきまでに壊滅した。
哀しき過去がどうとかそういう展開が絶対に起きないレベルで壊滅した。
時は流れて、それから2年後——
+++++
お水のなかで、目が合った。
プカプカしながら、声を聞いた。
初めて、めいれい、してくれた。
初めての人は、いちばんたいせつ。
だからこれで、
「——くーちゃん」
声がする。
ガラスごしに、聞こえた声。
なんだかあたたかい、そんな声。
「くーちゃんは夢の中にいるのかな」
ん?
お水プカプカ、クゥのゆめ?
……ホントだ。
いまのクゥ、プカプカしてない。
また、同じゆめ見てた。
「でもねー、もう時間だよー」
時間……なんの時間だっけ?
クゥ、わすれた。
「みんなくーちゃんを待ってるよ」
みんなが、クゥを待ってる?
待たせるの、ダメなのかな。
起きたほうが、いいのかな。
わからないから……
ちょっとだけ、目をひらく。
:塩さんの貴重じゃないねむねむ顔
:貴重だったことがあるか?
:通常営業
:平常運転
:いつものやつ
:塩さんの配信、何なら寝てるだけで終わるしな・・・
:そしてねむねむ顔を肴にリスナーが雑談しだすまでテンプレ
:マネちゃんは許してくれてるけど、このノリ絶対ヨソに持ち出せない
:それはそう
リスナーさん、ワチャワチャしてる。
にぎやかだと、楽しいんだっけ?
クゥ、わからない。
だから、クゥのぶんまで、楽しんで。
クゥは……まぶたが重い……。
「もー、くーちゃんってばー」
:癒やされる・・・
:それな・・・
:塩さんの健やかな成長を見守り隊
:このままねむねむ配信でよくない?
:マネちゃん・・・今日は諦めた方が良いかもしれない・・・
「うーん、しょうがないなあ……」
起きなくてもいいのかな?
わからないときは、欲望にしたがう。
クゥはねむい。
だから——
:あれ?今なんか奥の方に居たよな
:
:刺されたらどうなるんだっけ?
:
;死ぬより辛いやつやんけ!そもそも試すってなんだよ!?
:ちなみに狩りをする際、斥候役が1匹先行して帰還後に本隊が襲来する。この場合の討伐
:博識長文マゾニキ・・・
:誰もマネちゃんの心配してない件について
「ん?私がどうかしましたか?」
:どうもしないと思うよ
:マネちゃんの心配しなくていいの気楽だわ〜
:肝心な時しか役に立たない女の子
:そろそろ塩さんのキルゾーン入るな
:聖剣ククリナイフの出番ktkr
ん?
なんか来た。
——【
《クゥは走りながら背中に手を回す》
《抜刀と同時にサイレント・ビーを斬る》
《手首を返して勢いのままに納刀》
——キンッ——
〈
「くーちゃんおはよ——って、
いつの間にか後ろにいる!?」
目がさめた。
……あれ?
コメント、早くなってる。
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