18 帰ってこない戦士

 ボクは最初の賢者ミエル。

 武闘家みやびとギルドに来ている。

 そして、個室に案内された。


ギルドマスター

「ミエル、よく来てくれた。

 今日は、2人目、3人目の賢者と顔つなぎをして欲しくて、呼んだのだ。」


賢者 男性

「リオンです。」


賢者 女性

「アリスです。」


賢者 ミエル

「ミエルです。」


武闘家みやび

「みやびです。」


 ボクたちは、白銀の戦士 エクスカの白銀のよろいが呪文を跳ね返したことを聞かされた。


ギルドマスター

「というわけで、ミエルとみやびも注意してもらいたい。」


ミエル

「そうですね。

 戦いになったら、勝てないですね。

 でも、ギルドマスターなら勝てるのではないですか?」


ギルドマスター

「勝てるだろうが、大けがを覚悟しないとな。

 しかし、そうなったら、他の暴れ者を抑えることができなくなってしまう。

 うらまれ役を買ってでも、エクスカに

   「帰れ!」

 という方が全体としてはマシだ。」


 ボクたちと賢者二人は、納得するしかなかった。



 しばらくして、上級者ダンジョンに行った、白銀の戦士 エクスカが帰ってこないことが話題になっていた。


冒険者A

「どおりで、この数日はギルドが平和だったわけだ。」


冒険者B

「だれが助けに行くんだろう?」


冒険者C

「だれも行かないに、100バーシルを賭ける。」


 またしても、ボクとみやびは、ギルドの個室に呼び出された。


ギルドマスター

「というわけで、ミエルとみやびに、エクスカを探しに行ってほしい。」


ミエル

「つつしんで、お断りします。」


受付嬢

「困りましたね。 賢者カップルのリオンさんとアリスさんにも断られました。」


みやび

「みんな、断るさ。

 苦労して助けたとしても、気分を悪くさせられるからイヤさ。」


ギルドマスター

「ミエル、うらまれる覚悟で言うぞ。

 なんとしても、エクスカがどうなったのかを確かめてきてほしい。

 そして、これは、業務命令という名の職権乱用だ。」


受付嬢

「せめて、形見の品として、白銀の戦士そうびの一部でも持ち帰ってきてください。」


みやび

「なんで、みんなが嫌がることを、ミエルに押し付けるのさ。

 あんまりさ。」


 ボクもこころから同意したが、ギルドマスターと受付嬢の表情と視線から、ふたりの本当の狙いが分かった。


ミエル

「白銀の戦士 エクスカさんが勝てない敵にボクたちができることは少ないでしょう。

 形見の品を持ち帰ることが出来たら、奇跡と思ってくださいね。」


ギルドマスター、受付嬢

「「お願いします。」」


 ボクたちは、上級ダンジョンに入ることになった。



 ボクとみやびは、上級ダンジョンの地下1階にいた。


武闘家 みやび

「ミエルは、おひとよしさ。」


賢者 ミエル

「そのとおりだね。」


みやび

「もしかして、ミエルはバカの私には分からないことをするのさ?」


ミエル

「みやびは、やっぱり、かしこいね。

 でも、分からないふりして欲しいな。」


みやび

「ミエルの言う通りにするさ。」

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