巨大なる生きものの膝ひとつまたひとつと崩れ土埃舞う


巨大なる生きもののひざ

ひとつまたひとつと崩れ土埃舞つちぼこりま



その巨大な生きものはずっと歩いていた

生まれてすぐに立ち上がり

遠くまで歩き

立ちながら寝た


身体は年々成長し

山を超える巨大な生きものとなった

すべての緑を食い尽くし

すべての水を飲み干し

行く先々のすべてを破壊した

そして、遂に倒れる時が来た


四本ある脚のすべての膝に力が入らない

ひとつまたひとつと膝をつく

巨体は地面を抉り

土塊は爆ぜた


漸く小さきものが目に映る

最後に見たものは喜びの舞いだった

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