薄荷飴は苦手だった君の味ゆるりと溶ける夏祭りの夜


薄荷飴は苦手だった君の味

ゆるりと溶ける夏祭りの夜



初めて舐めた薄荷飴は吐き出してしまった

とても辛く鼻に抜ける感じに驚いたのだ

それ以来薄荷飴は苦手だ


夏祭りの夜

約束をすっぽかされて弱っている委員長を拾った

綺麗な浴衣の金魚たちもしょぼくれている

いつも姦しい委員長は苦手だった

元気のない委員長はもっと苦手だ


ほらよとあんず飴を差し出す

ぐずつきながら飴を舐める

ついでに俺のたこ焼きもパクついた

君はまるで小さな子供のようだ

祭り囃子の夜が溶けてゆく

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