短歌・俳句コンテスト短歌集【この歌が聴こえたら】

白狐愛しきひとと結ばれて悲恋になるも未来途絶えず

　白狐（しろきつね）愛（いと）しきひとと結ばれて悲恋になるも未来途絶えず

　平安時代の陰陽師、安倍晴明の母、葛の葉姫と父、安倍保名※実在の名は安倍益材（あべのますき）の短歌。

　最後の言葉の未来とは息子の“晴明のこと”晴明の幼名（ようみょう）は、童子丸（どうじまる）(安倍の童子)

　親（葛の葉）は子供（晴明）のことがきっと心配で、未練が残ったのだと思います。

　息子に正体を知られて、泣く泣く和泉（いずみ）の信太（しのだ）の森に帰った。母、葛の葉も後ろ髪を引かれる思いだったと思います。