桜姫

海星

第1話 桜見

「桜見に行くけど一緒いく?」

「行く。冬も綺麗だったけど、本物の桜も綺麗だよね。いつものあの丘でしょ?」

「そだよ。…麗華と桜…映えるんだよな。『美+美=エロ』…いいねぇ。」

「どこのオヤジよ。裸コートとかしないからね?」

「お?やる?」

「お前がやれ。」

「俺が…桜の下で…お前の前で…わー!って

!」

「見たくないわー!」


僕はコートを広げる動きと共に麗華を追っかけて抱きしめた。


「…麗、今日も綺麗。」

「ありがとう。」

「あぁー!」

「なに、うるさい。」

「うずうずする!」

「どこが。」

「聞く?見たい?」

「いい。見ない。」

「1回だけ。ね?1回でいいから。」

「やだ。あんたの1回は1回で終わらないし気付いたら汗だくでお昼過ぎてるし。いい事ない。」


「…ケチ。」

「……なに?」


麗華は僕に軽くキスした。


「毎日でもしたい。」

「嬉しいよ?そう言って貰えるのは。」

「…と言いつつ俺、してほしいだけなんだけど。」

「人間ダーツ?」

「あれ、楽しかった。」

「また、楽しいこと考えよ?」

「桜の下で?」

「やらしいこと考えてたらハチ来るよ。」

「……やだやだやだやだ。」

「じゃあ大人しくあたしと歩いてて。」

「はい……。」

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