第2話 追放

「おーいネクロー、来たぞーー!」


「ん?やっと来たかジース、全く人を待たせるとはこのSSランクパーティー「アラガント」のメンバーとしてどうかと思うよ」


 会ってすぐ罵ってくるコイツこそ我らがパーティー「アラガント」のリーダーのネクロ本人だ、ネクロはパーティー皆んながいる前ではこんな人を馬鹿にするような言い方はしないが何故か俺と2人の時だけ本性?的なのが現れる…普通に苦手である


「悪い悪い、エディルから今さっき聞いたんだよ、俺は悪くねぇ〜」


「はあ〜、また君は自分の失敗をエディルの、パーティーメンバーのせいにするのかい?全くこれだから田舎から来た奴は…」


 はあ〜っとデカいため息をついてなんかまた俺を罵ってくるネクロ、ってかマジで今さっき聞いたんだけどな〜…


「いやいや、マジで今さっき、聞いたんだよ、これでも急いだ方だぞ、ってか俺を呼んだ理由早く言ってくれ」


 ネクロ相手に言い訳をするのはもう面倒なので取り敢えず俺を呼んだ要件を聞いた


「ふん、そんなことも分からないのか?あ、お前の無能スキルが無能すぎるしあと、お前自身も無能だから気づかなかったか?ww」


 うへぇ〜、めんどくせぇ〜


「うへぇ〜、めんどくせぇ〜」


「あ?テメェ、ジース今なんつった?」


 あ、口に出てたか、なんとか誤魔化さねば


「いやいや、今日も軌跡王ネクロ様はかっこいいな〜って思っただけっすよ」


「ふん、そんな当たり前のことをいちいち言わんでもいい、それよりもだ、「無能」なお前を何故ここに呼んだか教えてやる、ジース…今この場でお前を「アラガント」から出ていってもらう!」


「ふむ、何故?」


「何故だと?そんなこと聞かなくてもお前が「無能」だからだよ!」


「それはさっき聞いた、無能だからと何故出て行かないといけないんだ?そもそも俺は別に無能って程のハズレスキルではないんだがな?」


「はあ〜、まさか無自覚とは本当にお前は無能だなぁ!確かにテメェのスキル「コピー」は俺のスキルと似て汎用性が高いが一度にコピーできるのが1つしかも魔法、武術限定スキルはコピーできないとかどう考えても俺の劣化版、お前の持ってるスキルは俺で間に合ってるって事だよ!わかったか!?無能!」


 確かに俺のスキル「コピー」は相手のスキルは真似出来ないし、魔法、武術コピーしたところで魔法の場合は本来の威力より弱いし、その魔法自体に魔力を込められないので威力が変わらないってのは弱点だ、でも武術はそういうの関係ないし剣術だって…いや、でも俺の身体能力で武術、剣術は使えるか使えないかわかるから俺自身が弱ければほとんど意味がないってことになる……はあ〜確かにネクロの言った通りだなネクロのスキルの劣化版なんて世界の5本指に入るくらい最強の奴とは比べ物にならないか…


「わかったよ、俺は「アラガント」を抜けるよ今まで色々とありがとなってエルザとエディル、他のみんなにも伝えといてくれ」


「ああ、わかった、今すぐに出て行け!宿にあったお前の荷物も全部ここにある全部持って行け!あと、俺は鬼じゃないんだほら、金貨10枚はやるよ」


「ありがたく貰っておくよ、じゃあな」


 そう言って俺はギルドから出て行った…

エルザ…「すまない、俺はもう君と会うことはないかもしれないが、君の頑張りを期待してるよ」…綺麗な明るい月に向かってそう呟いた

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