第6話 次なる激励パッション

どうして…どうして1番入りたかったの文芸部がなくなってしまったんだ…。


茶道やフラワーデザイン、演劇はまだ分かった。

運動部はラクロス部から果はキンボール部と幅広い部活があり過ぎて悩む。



『和裁部、2年竹組

落窪おちくぼ 紫苑しおんです。』


『将来の為になるので是非!』


生憎お洋服に散々困り裁縫であれば若いうちから1人で出来るような質素倹約びんぼうな暮らしをして来たんだ。なんて言わずに僕は


「ありがとうございます。大丈夫です。」


花束ブーケ片手に素直に答えた。


『ちなみに今着ている

 こちらの制服全て手縫いです✨』


ドヤ顔で答える落窪さん。


「…ヒッ─。」


自ら制服を改造していたのは赤福君もだったが、

全てを作るなんてレベルが違う…

ちょっとそれは羨ましいし、

流石は私立のお嬢様。


『スリーサイズさえわかれば、

大体で天井さんの制服も縫えますよ。』


きっと、僕よりも遥かに爽やか笑顔に間違いないが僕はまたも大丈夫です。と念を押して断った。


〖ビリアード部〗

部長 3年 枇杷びわ アリス


「ルールは仮入部になったら教えるけど…

ウチら、学校外の大人合わせて部員22人

ほぼ同好会同然だよ?」



…ん?どんどん青春から遠のいていないか?


僕の心に比例して心做しか、

花束ブーケの花が少し萎れている気もする。



💐



「…?ホウキ部ってなんだ?」


〖箒部 3年 部長 神永かみなが プレッセル 〗※男である。

「いらっしゃい。」


「君も箒に乗るのに憧れる人かな?」


「は?」


「この学園はね呪われた人が

わんさか集まってるから、

磁場が狂ってるらしくて、

頑張れば箒で飛びやすいんだ。」


「まさか…」


僕、本物の魔法学校入っちゃった?


「30cmしか飛ばない。」


「ショボイ!!」


「けど国内では

これでもいい方だよ?」


「でも、これはロマンがありますね。」


僕は目先の好奇心にかられ箒部にした。

この選択に後悔することになることを

今の僕まだ知らない。

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