異世界サイボーグ~未来のサイボーグが異世界で無双する~
縁側のカレー
第1話 突然の異世界転移
《某研究所》
黒服の男たちがゾロゾロと近づいてくる。
「くっ! 」
「いたぞ! 」
「何!? ホントだ! 」
「あそこか! 行くぞ! 」
やばい。
あいつらの数が多すぎる。
この研究所も決して広い方ではない。
このままでは捕まってしまう。
どうするか……。
「おい! ハク君、こっちじゃ! 」
「あっ! 博士! 」
生きてたのか。
良かった。
「この中に入れ。少しは時間が稼げるはずじゃ」
「博士。生きてたんですね。良かったです」
「勝手にわしを殺すんじゃない! そう簡単に死んでたまるか! 」
「でも、奴ら。ついにこんな行動に出てしまったんですね」
「大丈夫じゃ。この研究所もそうじゃが、欲しいのはわしと君のはずじゃからな」
「そうは言っても捕まったら何されるかわかりませんよ」
「そうじゃな。そこは覚悟するしかないな」
ドンドンドン!
いきなりドアを叩く音が響く。
「開けろ! もう、逃げられないぞ! 」
「もう、見つかったか……」
「くそっ!」
「仕方ない……こっちに来るんだ」
「博士? 」
博士に誘われるがままについていくと怪しげな装置がある部屋にたどり着いた。
「博士、これは? 」
「これは転移装置じゃ」
「転移装置? 」
「そうじゃ。今は詳しく話をしている時間は無いでな。要は決められた場所に瞬間移動する事ができるのじゃ」
「瞬間移動ですか…これを使って逃亡しようと言うのですか? 」
「うむ。ただし、まだ試作段階でな。燃料が1回分しか無いのじゃよ。君が使いたまえ」
「え!? でも…」
「わしなら大丈夫じゃ。殺される事はあるまい。そうじゃ!これを持って行け。何かの役にたつはずじゃ」
「これは? 」
「これは君の力を増幅させる装置みたいなもんじゃ。他にも色々できることもあるから使ってくれ」
「分かりました。博士、ご武運を」
「ああ。ハク君、君も達者でな」
俺は頷き、転移装置に入る。
「では、転送を開始するぞ」
博士が何やら装置をいじり始める。
ピッポッパと画面を操作する。
「完了じゃ。そこまで遠くには飛ばないはずじゃ。上手く生きるんじゃぞ」
「はい。お願いします」
「行くぞ! 転送開始! 」
転移装置が動きだす。
始めは静かだった転移装置は次第にけたたましく動きだした。
「なっ!? いかん! 」
「ど、どーしたんですか!? 」
「転移装置が暴走しとる! 止められない! 失敗じゃ! 」
「な!? 」
その瞬間、転移装置が光り出した。
目の前が真っ白になって、音もしなくなった。
気がつくと森の中で倒れていた。
「ここは? 俺は助かったのか? 」
辺りは閑散としていてどうも雰囲気が違う。
木々が生い茂っていて風が心地よい。
ん?なんだ?
辺りから妙な気が垂れ込む。
ヒートシーカー、オン。
サーチ。
3…いや4、こちらに向かってくる。人…小さいな。子供か?
ホロスコープでは何やら頭にツノのようなものが生えている。
なんだあれは?
お、鬼?小さい鬼…
それが勢いよく走り込んでくる。
『どうやら、ゴブリンのようですね』
うわっ!ビックリした!
頭の中で声が聞こえる。
『申し遅れました。私は先程、博士から託されたリムと申します。お見知り置きを』
そうか、よろしく!
ではなくて!異様な雰囲気でこちらに向かってくるぞ。
戦闘準備!行くぞ!
左太腿が開き武器が現れる。
レーザーガン、今までもよく使っていた武器である。
手早く抜き取り銃を構える。
ヒートシーカー……体温を察知して敵を見てるのでこちらからは丸見えである。
動いてる敵でも訓練通り撃つ!
機械的な指がレーザーガンのグリップをしっかり掴み、銃口が狙いを定める。
先頭のゴブリンが頭を撃ち抜かれて崩れ落ちたーー「ピギャ!? 」
それに反応してビビって立ち止まる他のゴブリンたち。
逆に好都合。
1つずつ落とす!
左!右!
残る1つ。
最後の1匹は後ろを気にしつつ、こちらに来れないジレンマなのか震えてその場に立ち尽くす。
その最後の1匹を落ち着いて撃ち抜く。
レーザーガン……やっぱり使いやすくて良いな。
エネルギーが心配だが。
『ゴブリン…不思議な生命体ですね。回収してもよろしいですか? 』
うん?おう。好きにして良いぞ。
『ありがとうございます♪回収します』
そう言うと亜空間のゲートが開き、ゴブリンの死体はゲートの中に消えて行った。
なぁ、ところであのゴブリン達だが、少し焦って走ってきてなかったか?
『そうですね。見たところ何かに追われているように感じますね…なるほど、
来ます? 何が? ん? なんだあれは? トカゲ? 恐竜? こっちに向かって来てるな…
『
ドラゴン…
神話とか御伽話とかに出てくるあれか?
そんなのと闘いたくないぞ。
『主、あのドラゴン。少し興奮してますね』
見るとドラゴンは猛り狂っている!
その辺の木々を倒しまくっている。
どこが少し!?
あんなのと戦えないぞ!
『主!大丈夫です!
『はい、主の体には約100の
なんとかなるのか?
『はい、私を信じて下さい』
分かった。どちらにしてもこの状況ではそれしかないか。
『目を閉じて、リストを思い浮かべると自然と見えてきます』
言われた通り目を閉じて、身体の中に集中していく。
頭の中にズラリとリストが並ぶ
なるほど、これか。
『はい!それです。今の主があのドラゴンに勝てる
「なるほど!行くぞ!
その瞬間、体の一部が変形する……
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