これより中学歴史を語りますよ
橘風儀
プロローグ(飛ばしても結構ですよ)
「初めまして。ふーぎと申します。主殿より、歴史講座を開くように言われたので、まずは中学生向けの内容を語りますね」
ふーぎと名乗る。
羊の角が頭から生えている少女は。
中学生の歴史の教科書を片手に持つと。
椅子に座らされた青年が困惑紛いに言う。
「……いや、なんで俺が中学の歴史講座を受けなきゃなんねぇの」
「それは、貴方様、えーっと。名前何でしたっけ」
黒板に名前入力欄が浮かび上がる。
(主人公の名前を入力して下さい。……あああ。主人公の名前は、あああでよろしいしょうか)
「よろしくないよ! なに勝手に名前入力してんの」
「手間を省いてあげたのですよ。あああ様」
「あああじゃないよ。俺の名前」
「了承しました。あ様」
「何一つ了承してないよね! 第一、俺の頭文字あ、でもないからね!」
「突っ込んでばかりいたら先に進みませんよ。……言っておきますが、貴方様は一時代ごとに試験を受け。全てのテストに合格しなければ成りません」
「はぁ? なんで俺がテストを受けなきゃならねぇんだよ」
「……それは、貴方が歴史を俯瞰するモノ。観測者に推薦されたからです」
「観、測者?」
「ありとあらゆる世界の歴史の観測し、記録するモノ。其れが観測者。……本来なら、推薦を受けた時点で合格なのですが、何分、貴方様の歴史知識が皆無でして。相応の知識を授けるように、主殿より命を受けたのです」
「勝手に話を進めんなよ、第一、俺はその観測者とやらになる気はねぇ」
「そうですか、残念です。もし、貴方が全ての試験を通れば。叶えたい願いを何でも叶えると主殿が言っていたのですが残念です」
「……えっ、何でも叶えてくれるの。此処では言えない。あーんなことや、こんなことも何でも叶えてくれるの」
「ええ。文字通り何でも叶えますよ。……因みに、観測者の試験に受けることを断っても大丈夫ですよ。生前の功績が認められ。貴方は天道に向かいますから」
「天道?」
「俗に言う天国に向かいます。まぁ、其処まで良い場所ではありませんが、少なくとも魑魅魍魎が蔓延る
「……六道」
青年は思い表情で呟くと。
唇を噛みしめて問いかける。
「なぁ、その天道って場所には俺が見知った奴や、俺を慕い。死んでいった仲間はいるのか」
「いませんね。誰もが天道にいけるというわけではないので。貴方は例外中の例外です」
「……そっか。なら、俺だけが行くってわけにはいけねぇよな」
「…………」
「観測者とやらには興味はねぇが。叶えたい願いが一つ出来た。良いぜ、観測者の試験とやらを受けてやるよ」
「そうですか。では、講義を始めましょうか。私のことは先生と呼ぶようにOK? あ様」
「だから、俺の名前は、あじゃねぇって!」
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