第81話 聖都防衛⑤
6人は教会に向かっている途中、何度も目玉型モンスターに遭遇するがミドリムシにユーキング、蒼紫が瞬殺で終わらせていた。
「やはり雑魚では相手にならないでござるな」
「大物でもいい所を見せてないのに…ぷぷっ」
「え?ミドちゃん仕留めてないの?今まで何してたの?ねぇ?」
「2人してオイラを虐めるのは良くないでござるぅぅぅぅ!!」
ユーキングに蒼紫はミドリムシを弄って楽しんでいた。
「サクヤさん、いつもこの人達はこんな感じなんですか?」
「今日は特別だね〜。普段のユーキさんはリーダーって感じがするけど今日は1プレイヤーとして楽しんでる感じだね〜」
「そうですね!普段のリーダーはかっこいい感じだけど今日は無邪気に遊んでる感じがしますもんね!」
「そうなんだ。はしゃぐのもいいけど…もう教会に着くけどいいの?」
ユーキング達の後ろで、ストレクーガにラードとサクヤの3人で
話しているうちに教会の前まで来ていた。
教会の周りに怪しい場所がないか探していたが特に見当たらなかった。教会の中庭の着いた時
「さてと、教会まで来たけど特に何も起こりそうにないな」
「そうでござるな…と言いたいところでござるが!」
「そうは行かないみたいね!」
ミドリムシと蒼紫は敵の反応に気付き先制攻撃を仕掛ける。
中庭にイベント開始時に現れた魔法陣が突如として浮かび上がり、そこから黒ゴブリンに黒オーガ等の闇に染まったモンスターが現れた。
「先手は俺が貰う。アクセルバレット」
ストレクーガが2丁の拳銃を構えると同時に銃口には魔法陣が浮かび上がり、トリガーを引くと魔法陣からは無数の弾丸が放たれる。
ゴブリンはアクセルバレットの一撃で沈んだがオーガやリザードマン等の大型のモンスターはまだ残っていた。
「雑魚処理はおまかせあれ〜!フレイムランサー!」
残ったモンスターをサクヤが魔法で処理をしていく。
「オイラたちの出番がないでござる…そろそろオイラも活躍したいのでござるよ…」
「出番ならあるみたいだぜ?大物のお出ましだ!」
モンスターを全て倒すと再び魔法陣が黒く光りだし悪魔が現れた。
現れた悪魔は聖都破壊の元凶である悪魔であり、イベントスタートに現れた悪魔であった。
しかし、その悪魔の横には別の悪魔も立っていた。
「あの女の人…私に教えてくれた人だ…やっぱり悪魔だったんだ…」
「良くぞここまで我が配下を殺してくれた、拍手を君たちにあげよう。喜びたまえ、私自ら君たちの相手をしてあげよう…と、言いたいのだが…まずは余興と行こうじゃないか」
男が横にたっている女性を見るが
「私は動かないわよ。私の目的は王子様を見つける事だから。貴方の配下になったつもりはないわ」
「そうか、それなら私のペットと遊んでもらおうか。現れよ…カオスゲート」
ユーキング達の前に門が現れゆっくりと開いていく。
そこから現れたの3m程の黒い鎧のモンスターだった。
「闇堕ちしたリビングアーマーかよ!しかもデカすぎだろ!」
「これは物理攻撃が効きそうにないでござるな…」
「ミドちゃんの出番がまた無さそうだね!!!」
「蒼紫殿は喜び過ぎでござるよぉぉぉぉ!!」
しかし現れたのはリビングアーマーだけではなかった。
「こいつぁ丁度いい。俺様の嫌いな糞虫が居るじゃねぇか!」
「その声は!トルギスでござるか!こんなところで…まさかイベント中にPKをやったのでござるか!」
「それの何が悪いんだ?ん?俺様はこいつから力を貰ったんでな、そのお返しってやつだよ」
リビングアーマーの背後から現れたのはPKクラン鴉の集いのリーダー、トルギスだ。
「みんなはリビングアーマーに集中して欲しいでござる…この男はオイラが受け持つでござるよ」
「はっ!糞虫が俺様を止められるとでも思ってんのかよ!虚空斬!」
地面を抉るように切り上げた斬撃がミドリムシを襲ってくる。
ミドリムシは瞬歩を使い攻撃を避け、苦無を投げていく。
「ユーキング殿!早くリビングアーマーを!」
「ミドさんそっちは任せましたからね!責任もってしっかりとやってくださいよ!」
「ミドちゃんファイト〜」
ユーキング達がリビングアーマーに集中出来るよう、ミドリムシはリビングアーマーから離れながらトルギスに攻撃を仕掛けていた。
「死ね糞虫が!残空刃!」
「死にたくないでござる!無我蒼閃!」
お互いのアーツがぶつかり相殺する。
すかさずミドリムシは忍術を使い攻撃をするが
「させねーぜ!魔鏡転召!」
トルギスの周りにいくつもの鏡が現れ、ミドリムシの忍術を跳ね返した。
「跳ね返しでござるか?!いつの間にそんなスキルを…」
「あの悪魔から貰った力だよ!それにこんな力もな!【魔人化】!」
見た目は何も変わらないが全てのステータスが3分だけ倍になる魔族専用スキルである。
「魔族に堕ちたでござるか…どれだけ堕ちたらいいのでござるか!他のゲームでもどれだけのPKをしてきたのか…」
「そんなの覚えちゃいねーよ!消し炭になれ!ヘルフレイム!」
「くっ!水遁!流水時雨!雷遁、雷爪!」
「いちいち相殺してくんじゃねーよ!!うぜぇんだよ!断命吸迅!」
トルギスが手にしていた片手剣が黒く染っていき、素早くミドリムシを突いて行く。
避けきれずに何度かかすり、ダメージを受けてしまうが
「かすっただけでこれ程削られると思わなかったでござる!魔人化した時のステータスは恐怖でござるよ…」
「この攻撃は毒と同じでジワジワとHPを削っていくぜぇ」
「それなら早く決着を付けないと行けないでござるな…」
話しているうちに少しずつミドリムシのHPは減って行っていた。
「オイラも本気を出すでござる!爆裂苦無!」
瞬歩を使いながら苦無を投げつけ爆発させていく。
辺りは爆発のせいで砂煙が舞っていた。
「ちっ!目くらましか。やる事が餓鬼なんだよ!こっちも残り時間がねぇからとっておきだ!グランドゼロ!」
トルギスの周辺で大規模な爆発が起こる。
しかしミドリムシは距離を取っており爆風のダメージしか食らわなかった。
「危なかったでござる…そちらがとっておきを出したのならこちらも出すでござる…忍術が秘奥義!四龍降臨!全てを飲み込め!水龍!」
一体の水の龍が現れ、口を開きトルギス目掛け駆けていく。
トルギスは身動き取れずに水龍に食われ消えていった。
水龍は動きを止めることなくリビングアーマーにまでも食いついていった。
「まさかでござるよ…リビングアーマーまで倒すなんて事は…ないでござるよね?!」
ミドリムシの予感が的中し、リビングアーマーに噛み付き、流水魔法を使いトドメをさしてしまった。
リビングアーマーが光となり消えていくと、水龍も同時に消えていった。
「ミドちゃんなにやってんの?!折角私たちが削っていってたのに!」
「横取りかよ!ミドさん!」
「最低なミドリムシですね…私のMP返せよ」
「クズだな。ヘッドショット決めていいか?」
「流石の僕でもフォロー出来ませんね…」
今までリビングアーマーと戦っていたユーキング達はミドリムシに罵声を浴びせていた。
「折角オイラ…活躍したのに…頑張ったのに…ぐはっ」
ユーキング達の罵声に精神ダメージをクリティカルヒットしてしまったミドリムシはその場に倒れ込んだ。
「ほぉ…横取りは関心しないが…倒してしまうとは驚きだ。倒した褒美にこれをあげよう」
男は右手を空に掲げると空中に魔法陣が現れ、1本の黒い槍が現れようとしていた。
「あれはやばいんじゃね?」
「流石に僕でも防ぐ自信全くないですね…」
ユーキングとラードは危険を感じ取り全員に下がる様指示をしようとした時
「もう遅い!常世の闇に消えるが良い!イービルス「させねぇぜ!焔孤爆撃隊!突撃ぃぃぃぃ!!!」」
炎の狐が5匹現れ男の悪魔目掛けて走っていき、近くまで来ると突然炎孤達は爆発していった。
「くっ!誰だ私の邪魔をする奴は!」
男は炎孤達が来た方向を向く。
「やっと来てやったぜ!俺!さんじ「妾!参上!なのじゃぁぁぁぁ!!!!」」
「俺が言いたかったのにぃぃぃぃ!!!駄猫が俺のセリフ取ってんじゃねぇよぉぉぉ!!!」
そこに立っていたのは
頭には猫のような耳があり、尻には尻尾があり…
Tシャツ姿にホットパンツを履いている1人の女性だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます