第76話 食いしん坊万歳




 再びFLOの世界に来た俺は小屋から外に出てスライムの前に来た。


「うーん…イメージ言われてもなぁ。どうすればいいんだろうな?スライムさんはどう思うよ」


 しかしスライムは何も反応なく震えているだけだった。


「スライムさんは何も反応無しっと…とりあえず魔法を使いながら考えて行きますかね」


 ひたすら魔法を使いながらもどうすればいいのか考えていたがこの日はなにも収穫なく終わった。






 修行2日目もスライム相手に魔法を打ち続けていたがこの日の俺は少し違っていた。

 魔法を使う時にスライムの周りに薄い膜が現れるのを感じ取っていた。

 しかしそれが何なのかまではわからなかったが進歩はあった。


「スライムさんは魔法が当たる時になにかやってくれてるねぇ…でもその正体がわかんないからはっきりと分かるまでまた撃ち続けないといけないのかよ…」


 何度も魔力切れを起こしながらもひたすら先程の感覚を忘れないように魔法を使い続けると、スライムの周りの膜がはっきりと感じ取れるようになっていた。

 感じ取れることにより魔法を使う際に自分の魔力まで感じ取れるようになっていた。


「なんかこの感覚には慣れねぇな…気配察知とはまた違った感覚だしな。今ならスライムさんの膜が1番薄い所…てより、膜がない所があるのがわかるな…そこに狙い撃ってみますか」


 スライムの体に唯一膜がない場所に俺は氷炎魔法を使うと、スライムは蒸発していき消えていくと。


『魔力感知を取得しました。』


「ふぉ?!急に覚えるのかよ?!倒した瞬間に覚えるパターンなのね」

「まさか1日で魔力感知を覚えるなんて私ビックリだよ?シウちゃんなにかずるしちゃった?」


 俺の背後から桜華が声をかけてきた。


「あふん…って、いきなり人の耳元に息を吹きかけないでくれますかね?!」

「あらあら、感じちゃったのかな?」

「感じましたよ!魔力をね!魔力感知がビンビンですからね!」

「魔力感知を自然に覚えたよね?シウちゃん?なにか体に異変はないかな?」


 桜華は俺の耳に息をふきかけながら声を掛け遊んでいた。


「体の異変?…ん?んん??なんかおしりの辺りがいつもと違う気が…」


 ふと尻尾を見てみると、今まで1本だったはずの尻尾が増えており、2本になっていた。


「…え?」

「シウちゃんおめでと〜。二尾にランクアップだよぉ〜。拍手〜ぱちぱちぱち〜」

「まってまってまって?!これってまさかの増え続けるパターンなの?!やだよ?!ガチで人前に出るのが恥ずかしくなってきたよ?!」

「何言ってるのよ!これは妖狐としての強さの証なんだよ!胸を張りなさい!」

「強さの証としてもこれは恥ずかしいわ!確実にアゲハさんにディーネ…キュリアが見たらモフられるやんけ!」

「でも下手したら三尾に変わるかもだよ?いまのシウちゃんの実力なら三尾までは直ぐになれるはずだよ?てか、なっちゃお!」

「魔力感知を覚えたら二尾なんだろ?三尾になるにはどうしろってんだよ!」

「もうシウちゃんは答えを知ってるはずだよ?後は覚えるだけかな?」


 シウは桜華に答えを知っていると言われすぐに思いついたのは


「魔力構築か?」

「うふふ〜わかってるなら後は訓練あるのみだね♪それでは次の先生に来てもらいましょーどうぞ!」


 俺の目の前の地面に魔法陣が現れ、そこから出てきたのは赤いスライムだった。


「今回の先生はスラ吉3世ちゃんです!前回のスライムちゃんより魔力の装甲は頑丈だから本当に魔力構築を覚えないと倒せないから頑張ってね♪ちゃんと三尾になれたらご褒美あげるからファイトだよ♪」


 そう言うと、桜華は転移して居なくなった。


「スラ吉3世ってどんな名前やねん!2世はいったいどうなったんだよ!気になるわ!くそっ!」


 スラ吉3世も前回のスライムと同様に震えるだけで何もシウの反応には答えてくれなかった。



 キュリア&姫side



 シウが桜華に連れ去られた後、キュリアと姫は凪沙の訓練を受けるとばかり思っていたのだが。


「それではキュリア様、姫様、お茶に致しましょう」

「え?訓練はしないのです?」(お茶よりスムージーがいいのじゃ)

「お2人はまだ進化したばかりなので軽く休憩をした方が宜しいでしょう。それに、進化したことにより新たにスキルも覚えているはずですから確認もした方が宜しいと思いますよ」


 凪沙はそう言うとキュリアと姫を別の場所に案内し始めた。

 今までの大広間とは違いテーブルやソファ等ある部屋に案内されたキュリア達。


「それではお茶の準備をしてきますので少々お待ちください」

「はいなのです」(のじゃ)


 2人は凪沙が部屋から出た後


「スキルの確認と言われてもなのです…」

(主が居なくても確認はできるのじゃが…)

「色々とマスターと決めなくてはならない事もあるのです…どうするです?猫っころ?」

(とりあえずは確認だけでもしておくのじゃ、それと!妾は猫じゃないのじゃ!ゴールデンレトリバーには進化してないのじゃ!!)


 2人は新しくなったステータスをお互いに確認をした。



 キュリア Lv30

 種族:戦乙女


 HP:600(450+150)

 MP:300


 STR:79

 VIT:107(47+60)

 INT:91(51+40)

 MND:96(51+45)

 AGI:62(42+20)

 DEX:30


 ステータスポイント0

 スキル

【光魔法Lv30(進化可能)】【結界Lv29】【槍術Lv30(進化可能)】【魔力強化Lv24】【魔力自動回復Lv30】【幻影Lv22】【騎乗】【空き】【空き】(【重量軽減】【自動調整】【闘神】【気配遮断】)

 固有スキル

【光の翼】【魔装】【聖なる護り】

 称号

【水精霊の祝福】【キャットライダー】



 姫 Lv30

 種族:雷猫緑姫


 HP:650(550+100)

 MP:450(350+100)


 STR:90

 VIT:95(50+45)

 INT:35

 MND:45

 AGI:130(65+65)

 DEX:10


 ステータスポイント0


 スキル

【魔爪】【遠吠え】【金剛】【騎乗】【空き】【空き】(【魔爪ブースト】【気配遮断】)

 固有スキル

【疾風】【地響き】【電光石火】【雷獣化】

 称号

【食いしん坊】【大食らい】



 「スキルが増えてるのです!それに称号まで!」

(妾の称号はなんなのじゃ!異議申し立てするのじゃぁぁぁ!!)

 「駄猫にお似合いの称号なのです。あとは空いてるスキル枠をマスターに決めてもらうのです!」

(妾の称号…アイドルがないのじゃ…)



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