第67話 hanadi
アインスドットの宿屋から出て、南に向かうために門に向かう俺達。
今日の目的地の南にある海がある港町<ドーシート>を目指してアインスドットの南門を通り進んでいく。
港町に行くまでに新しくなった装備を確認する為に戦闘を始める。
俺は2振りある雷召雪狐の確認、魔弓 スイハのスキルを確認してみることした。
雷召雪狐は魔力を込めることにより刃に雷と氷が現れ、斬るだけではなく属性による追加ダメージを与えていた。
スイハの方は木の矢や石の矢を使うと、スイハに付いているスキル【オートリロード】が発動し、何もしなくても次弾が装填されていた。
弓術に短剣術も進化させ、弓術は派生である魔弓術に。短剣術は短刀術に進化をさせていた。
弓術がレベル30になった時に覚えたアーツ【アースインパクト】
このアーツは地面に矢を射る事で姫が持っている固有スキルの地響きと同じ効果を発揮する。
そして新たに使えるようになった【魔弓術】はスイハに付いている【魔弓】とは違い、アーツを使えたのだ。
スイハに付いている魔弓は魔力の矢を作り出すためのスキルであり、魔弓術はアーツが使えるスキルであった。
「マスター、スキルの確認を楽しんでするのはいいですけど…私達が暇なのです!」
(1人で倒し過ぎなのじゃ!妾たちも新しい装備を使ってみたいのじゃ!!)
「すまんすまん、張り切りすぎちゃったよ。でもこの新しい装備はまじでいいな!着物なのに動きやすいし。あっ、カエルが来やがった…スイハで…バキュンだぜ!」
俺の前に再びカエルが現れるとすぐ様スイハを構え魔力の矢を放つ。
「またマスターに取られたですの…調子に乗りすぎてるのです…後でお仕置きなのです…」(のじゃ!)
一旦セーフティゾーンで休憩をし、エリアボスの元に向かった俺達。
ガイアタートル Lv25
南エリアのボスは巨大亀であった。甲羅には岩で出来た針が無数にありガイアタートルは直ぐにその針を飛ばしてきたのだ。
「うぉ?!先手は向こうからかよ!亀吉の倒し方はやっぱり裏返すのが1番か?」
「あの大きさなので難しい気がするのです…まずは今まで通りに攻撃していくのです!!突撃ぃぃぃ!!」
キュリアは白兎Mk-Ⅲを構え光の翼でガイアタートルに向かっていく。
(妾も新装備を試してくるのじゃぁぁぁ!主!見ておるのじゃ!!魔爪!)
姫もガイアタートルに向かっていき、魔爪を使い爪に魔力を込めていく。魔爪ブーストのお陰で属性が付けられることにより姫の魔爪は色づいていた。
今回は火の属性を込めており、魔爪は赤く輝いていた。
(燃えろなのじゃ!フレイムクローなのじゃぁぁぁ!!!)
「え?!技なんかあったの?!」
(今作ったのじゃぁぁぁ!!!)
姫は火魔爪でガイアタートルを切りつけるがそこまで効果は無かった。
「あまりダメージ与えてないやんけ!甲羅を切りつけても意味ないやろがぁぁあ!考えろよ駄猫が!」
(それなら今度はこっちなのじゃ!うーん…アースインパクトなのじゃ!!)
地魔爪に変え、ガイアタートルの甲羅を叩きつける。すると今回は効果があり、ダメージを与えていた。
半分までHPを減らしたところでガイアタートルの動き方が変わったのだ。
今までは針を飛ばしたり土魔法を使ってくるなどの攻撃方法だったのだが、ガイアタートルが頭と手足を甲羅の中に入ると、甲羅がその場で回転を始めた。
「こりゃ…なんか嫌な予感がするぞ?キュリア!結界を姫に使ってあげてくれ、俺たちより防御力が低いから不安だ」
「む〜、駄猫に使うのは癪なのです…でも仕方ないのです…有難く思うのです!!」
キュリアが姫に結界を張った時だった。
ガイアタートルが全方向に回転しながら針を飛ばしてきたのだ。
キュリアは上空に上がり針を躱わしていき、姫は機動力を活かしながら見事に針を避けていく。
俺はガイアタートルと距離を取っていたお陰でそこまで針は飛んでこなかった。
油断をしたその時だった。
足元から土で出来た槍が生えてきたのだ。
「回転しながらでも土魔法使ってくんのかよ!あっぶね…」
サイドステップで回避したがそこに岩の針が飛んでくる。
「マスター危ないのです!!避けるのです!」
キュリアは叫ぶが間に合わず俺に当たろうとした時だった。
シウの正面に1枚の大きな盾が現れ、岩の針を防いだのだ。
【友の守護】パッシプ
戦闘中、低確率で相手の攻撃を完全に防いでくれる。
1度発動すると120秒経つまで消えない。
「これは…なかなかのスキルですな…しかもオレンジ色の盾…叢雲が守ってくれてる感じがするな。ありがとな」
盾は俺の正面から右に移動をして行動の邪魔にならないように移動していた。
しかし未だに回転は止まらずに針を飛ばし続けている。
「マスターどうするのです?魔法で少しずつはダメージ与えてるけど時間が掛かるのです〜」
(地響きを使っても効果がなかったのじゃ…やはり裏返すしかないのかえ?)
「う〜ん…焼き亀にでもしてみるか。【氷炎魔法】煉獄」
氷炎魔法の中で唯一炎単品の魔法である煉獄。
ガイアタートルの足元に魔法陣が現れ光り始める。すると一瞬にして黒い炎の柱が生まれガイアタートルを飲み込んだ。
数秒で黒い炎は消え、魔法陣も消えていった。
「うわぁ…めっちゃシンプル〜。今までの氷炎魔法の中でもくっそシンプルな魔法じゃん…」
「マスター、亀吉の動きが止まってるのです!」
(焼き亀…あまり美味しそうじゃないのじゃ…なんか臭いのじゃ…)
煉獄だけでは仕留めきれずに居たが、ガイアタートルの動きは止まり瀕死状態になっていた。
「止まってる今のうちにさっさとトドメをさすぞー!総攻撃開始!」
「ラジャーなのです!」(のじゃー!)
俺達はアーツを繰り広げガイアタートルの残り少ないHPを削っていき、ラストアタックはキュリアの放った槍術アーツ【旋風槍刃】でトドメを指した。
『エリアボスを討伐しました。初回討伐ボーナスを獲得しました』
エリアボスを倒し、南にある街を目指して歩いていくと
(なんか風の匂いが変わったのじゃ、なれない匂いなのじゃ〜)
「ほんとだな、少しだけだけど海の匂いがするな。海が近い証拠だな」
「マスターマスター!海に着いたら遊ぶのです!泳ぐのです!水着なのですぅぅぅ!!」
「うん、すこし落ち着こうか。泳げるかどうかはわかんないだろ?とりあえず街に行こうな?ん?なんか後ろで声がしたけど気のせいか?」
(なにか聞こえたけど気にしないのじゃ!早く街にいって美味しい食べ物をゲットするのじゃ!!新鮮な魚があるはずなのじゃ!)
「食いしん坊の駄猫なのです…そのまま魚の餌になったらいいのです」
キュリアと姫は恒例の言い争いを始めたその頃。
俺達の後方には2人潜んで居るものがいた。
「はぁはぁ…蒼紫殿…オイラはもう無理で…ござる…」
「ミドちゃん大丈夫なの?物凄い鼻血だけど…」
「蒼紫殿…考えるのでござるよ…あの幼女天使の水着姿を見れると思ったら…ぐふっ…」
「鼻血の次は吐血?!ミドちゃんほんとにやばいよ?!出血もだけど考え方がやばいよ?!ストーカー忍者からロリコン変態忍者に改名しちゃうの?!」
「…それでもいいでござる…幼女天使ちゃんの水着姿が拝めるならいいのでござるぅぅぅぅ!!!蒼紫殿だって狐さんの水着姿を見たいでござろうに!」
「狐様の水着姿………はぅん!?」
「蒼紫殿も鼻血を!!」
ストーカーズは今日も元気いっぱいなのであった。
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