狐さんの冒険譚
ねころっけ
第1話 全ての始まり
俺は今、自室にて机の上でPCを見ながら悩んでいる。
ん?なんでかって?明日から俺は夏休みなんだ。そして夏休み開始と共に前からやりたかったけど出来なかったVRゲームがやっと出来るのだ!
このゲームはβ版から人気が出ていた。β版が終わって一月後、正式に販売の発表があったんだけど…販売に制限をかけると公式サイトで発表しやがった!
初回販売数が1万個に対して予約総数が5万はあったらしい。この販売は公式サイトで予約しないと買えないのだ。そして勿論抽選があり…俺はその抽選に見事に落ちたんだ…その時は絶望に打ちひしがれたよ…
俺は落ちたのに友人の2人はその抽選に受かりやがった!裏切りだ!
その初回販売から早1ヶ月…待望の第2弾の予約開始が始まったのだ!今回も数も1万!そして予約総数が10万!!前回の予約総数より倍…だと?!今回も無理じゃね?とか思っていたら。
勝ち組になる事が出来た!なんとか2陣からスタート出来るようになったのはいいが、このゲーム…FreeLifeOnline、略して『FLO』は様々な事がリアルに出来る。
武器を持ちモンスターを実際に自分の手で切ることも出来るし、魔法を使うことも出来る。
戦いだけではなく、服を作ったり武器を作ったり農業したり等の職人的な事も自由に出来る。
だからこそこのFLOは人気が出た。でも、それぞれ戦闘や生産等にはスキルが必要になってくる。
このゲーム…ステータスの割り振り方によって人それぞれの強さになる。武器や鎧など重い武具を着けるにはVIT(耐久値)やSTR(力強さ)など考えて割り振りしないと行けない。でも基本的な動き方等は自分の力量によって変わるんだと…運動が苦手な人はキツイよね…これ…鎧着て走るとか出来なさそうだし…
そしてこのFLO…スキルがくっそ豊富なんだわ、これ。剣を使いたいならスキルの剣術を取らないと意味がない。魔法もちゃんとスキルを取らないと意味が無い。
戦術はスキルに有り!なんだけど…俺はそこで今悩んでるんだよな…
だってね?何個有るんだよ!って叫びたくなるほどスキルがあるの!しかもスキルが大量にある割に最初に取れるスキルは10個まで!どれを取るか悩んでるのであーーる!!
一応は初回販売で買えた友人Aの優希に軽く教えて貰ったんだけど…
▽△▽△▽△▽△▽△
数時間前、俺は友人Aである優希と終業式を終えて某高校から帰っていた。
「なぁ優希さんや、明日からやっとFLOが出来るんだけど悩んでますねん。アドバイスくれませんかね?」
「スキルで悩んでるのか?確かにあれは悩む!俺もキャラクリで1時間は掛かったからな」
「どこから選んで良いものやら…それすらわからないんだけど」
「そうだな…職業はどうするんだ?それによって補正がかかってくるけど」
そう…スキルだけではなく職業も選べるんだよな、このFLOは。メインだけじゃなくサブの職業も…
ガッツリ戦闘メインにしたいなら剣士と重戦士とかの両方とも戦闘職にすればいいし、生産もしたいならメインに戦闘職、サブに生産職って事も出来る。生産オンリーにすることも出来るしな。
そして尚且つ、剣士なら剣を使う際に補正がある。攻撃力が上がったりなどの…
俺は戦いもしたいし生産もしたい。だからバランスよく行きたいのだ。
「んー使ってみたい武器があるからそこから決めるけどなぁ」
「何を使いたいんだ?槌とか鎌とか使いにくいやつか?それとも鞭とか笛とか?」
「なんでそんな変なのしかお前は言わない…てか笛とかあるのかよ…俺が使いたいのは弓なんだよ」
そう!弓なんだ!なんか面白そう!ただそれが理由…特に深い理由は無いんだよ!悪いか!
「弓かぁ…コスパ悪いぞ?矢は1回で1本無くなるし、命中率も悪い。遠距離攻撃したいなら魔法使えばいいしな」
優希は続けて言う。
「スキル構成で命中率もあげることも出来るけど…それでもやっぱり近距離戦になれば攻撃食らうし。まぁ弓使いから派生して銃が使えるからそこ狙いで弓使ってる人も居るけどな」
まだまだ優希は言う。
「弓で行きたいならスキルは…そうだな…なにがいいかな。当たり前に弓術は入れたとして…魔眼の1つにある鷹の目だろ…気配遮断があれば森とかでは役に立つけど平原とかの開けた場所なら役に立たないしなぁ…矢も簡単なやつなら木工や錬金で作れるからいいとして…」
なんか1人ぶつぶつ言いながら自分の世界に入り込みやがったよ…考えてくれるのは嬉しいけど一緒に考えないか?俺を置いてけぼりにするなし!
そして優希が出した結論は…
「まぁ俺が必要と思うスキルは弓術に鷹の目に錬金か木工、他には付加の4つぐらいかな。後はお前の戦闘スタイルによって変わるからそこは自分で決めた方がいいな」
そこから優希先生のスキル説明が始まった。長くなりそうだ…
「弓を使うなら勿論弓術は必ずいる。鷹の目は魔眼の1つなんだけど効果は遠くを見る事が出来る、そして狙った獲物は逃がさないって感じでロックオンが出来る。これはロックオンさせない事も出来るから自分の判断で変えられる。他のゲームに良くある相手をロックするみたいな感じと思えばいいかな?まぁ最初は10mぐらいの距離しか望遠出来ないけどレベルさえ上がれば距離は伸びるから。後、錬金は簡単な矢なら錬金で作れるんだわ。木の矢に石の矢…鉄の鏃にしようとしたら鉄のインゴットが必要だから買えば高くつくぞ?鍛冶スキルも取ればインゴット作れるからそこは自分で考えてくれ。木工なら木の矢だけになるかもだけど…後は付加だな、これは正直要るかわからんスキルだ。簡単なバフを掛けられるし属性エンチャントを武器に付けられるから最初は役に立つけどある程度したら武器に属性が最初から付いてる物があるし、バフだけで考えたら魔法で補えばいいしな。矢に属性を付けられるのは強みになるかもな。他にも……」
「だぁぁぁぁ!!!長ぇよ!!どんだけ説明したいねん!!とりあえずお前のおすすめはその4つなんだな!な?!」
長くて話をぶった切ってしまったよ!こいつは説明し出すと止まらないからな…
「まぁそうだな。後はFLOの掲示板にスキルに付いて載ってるスレがあるからそこで色々と効果を見ながら選んだらいいんじゃないか?」
そうするわ!お前に聞いたら何時間説明受けることになるやら。
「後、種族も選べるからな。種族に関しては特に何を選んでも大丈夫だぞ。見た目が変わるだけだし、まぁ多少なりともステータスに影響は出るけどな。人外も選べるぞ?スケルトンとかスライムとか閻魔とか!やってみてくれよ!まぁ人の居る街に入れないけどな!!」
だれがそんな爆弾選ぶかよ!ネタ枠じゃねーかよ!でも人外専用のスキルもあるらしいから一応はチェックしますけどね!!閻魔も何気に興味あるしな!!
「それと公式サイトに有るアプリを携帯に入れて連動させとけよ。そしたら直ぐに携帯に入ってる連絡先で俺と繋がるから。FLOしてたらそいつらと繋がれるからな。ちな俺のPN(プレイヤーネーム)はユーキングだから、キャラクリ終わったら連絡してくれな」
そんな話をしながら帰宅して最初に至るんだよ…
明日の10時から2陣のスタート開始だからそれまでに決めておきたい…キャラクリに時間かけたくないぃぃ…
因みにVR専用デバイスもしっかりと買ってるし生体認識も終わらせてるんやで!その辺はしっかりと事前に終わらせたんたんやで!しっかりとソフトもインストしてるし!
俺偉いだろ?褒めてもええんやで?
とりあえずはスキルを考えないとぉぉぉ!!!
掲示板と睨めっこしながら考えるけどなかなかムズいよぉ…頭ショート寸前だぉ…
だって弓使ってる人のスキル見て真似したくないやん?自分なりのスキル構成にしたいやん?でも考えたら訳分からんやん?どないしろいうねん!!
弓使いの掲示板みたけど…
・
・
・
43.名無しの弓使い
明日から2陣が来ますぜ!
弓使う人増えるかな?
44.名無しの弓使い
メイン弓少ないしな!派生の銃に行ったりしてるからな!!
エルフの癖に斧とかないだろよ!そこは弓だろ!!
45.名無しの弓使い
ガチムチエルフ…おぇ…
46.名無しの弓使い
種族によっても得意な装備とかありそうだし。
後、装備にDEXプラスがあれば弓に役に立つ。
47.名無しの弓使い
それなんだよな。アクセで器用になるとか説明文があるやつを装備して試したら命中率上がるしな。
48.名無しの弓使い
スキルでも器用になるやつあったよな?それ取ったりしてみた?
・
・
・
こんな事を書いてたんだ…装備にも気をつけなきゃいけないのかよ…
奥が深いぃぃ…それに器用が上がるスキルもあるのか!でも細工のスキルとか取れば細かい作業とかしそうだから必要になるよな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます