もふつよ魔獣さん達といっぱい遊んで事件解決!! 〜ぼくのお家は魔獣園!!〜
ありぽん
プロローグ
「まさか両親に続いてこの子まで」
「仕方がないさ。これも運命だったんじゃ。きっと今頃は天国で再会して、3人幸せに暮らしておるはずじゃ」
「そうね。そうよね。私達もいつか会えるかしら」
「ああ、きっと」
う~ん、ここは何処?
『ここはお前さん達が生きている世界、地球でいうところの天国じゃ。分かるかの』
今、僕の前に1人のお爺さんが立っています。立ってる? 浮かんでる? なんかふわふわ浮かんでいる気もするけど。
それからこのお爺さんは今、ここは天国って言った? おじいちゃんとおばあちゃんが言っていた、パパやママが居る天国? なら僕はやっぱり死んじゃったのかな?
『ああ、そうじゃ』
やっぱりそうなんだ。あっ! 僕おじいちゃん達にありがとうって言えたかな? 覚えてないよ。
『大丈夫、しっかりと最後の言葉として伝わっておる』
本当? 何で分かるの? お爺さん、僕の知らない人だし、病室には知らない人は入れないでしょう?
『わしは天国から見ておったのじゃ』
『天国? お爺さんは誰なの?』
『わしは……』
僕が天国で会ったのは神様でした。うんと、おじいちゃん達が言っていた、天国でみんなを見守ってくれている神様。神様、本当にいたんだね。
僕は小学6年生。5年生の時に、治すのが難しい病気になっちゃって。それでさっきね、死んじゃったんだって。
僕、死ぬ事は怖くなかったし、今も怖くないけど。でもおじいちゃんやおばあちゃんにご挨拶できたか心配だったんだ。その時のこと、よく覚えていなかったから。
僕のパパとママは、僕が4年生の頃に事故で死んじゃって。それからずっとおじいちゃん達と暮らしていました。
でも5年生の時におじいちゃん達は僕の病気を知って、とってもとっても心配してくれて。だからもし僕が死んじゃう時は、ちゃんとありがとうって伝えたかったの。
その時のこと、僕は覚えていなかっけど、神様は見てくれていて。ちゃんと僕は、おじいちゃんとおばあちゃんに、今までありがとうって言えたみたいです。良かったぁ。
それでね、おじいちゃん達のことを聞いた後、僕は神様に、他にも色々な事を教えてもらいました。僕がこれからすることとか、パパやママ達のことを教えておもらったの。
えと、僕はこれから新しい世界へ行って、新しい生活をするみたい。転生って言うんだって。悪いことをした人はダメだけど、他の人達はみんな転生するの。だから僕も転生するんだよ。
でも新しい世界へ行くのは、いつになるか分からなくて、すぐの人もいるし、ずっと待つ人もいて、それは神様にも分からないみたい。
だからね、僕、神様に聞いてみました。まだ新しい世界に行かないで待っている人達の中に、パパとママはいますか? って。そうしたらパパ達はもう、新しい世界へ行った後でした。
パパとママは転生する前に、いつか僕がここへ来たら伝えてくださいって、神様に伝言を頼んでいました。僕を残して死んじゃってごめんね。いつまでも僕はパパとママにとって、大切な家族だよ。いつかまた会いましょうって。それから最後に、新しい世界へ行くことになったら、幸せに暮らしてねって。
うん、会えなかったのは寂しいけど、パパとママが新しい世界に行って、新しい生活をしてるって聞いて、それから伝言が聞けて、僕はとっても嬉しかったです。
いっぱいお話しを聞いた後、僕は新しい世界へ行くまで、天国で暮らすことになりました。天国には動物がいっぱいで、毎日みんなでいっぱい遊んで、とっても楽しかったです。
そうして天国で暮らしてから1年くらいして、神様が僕を呼びに来ました。新しい世界へ行くことが決まったんだ。
『新しい世界へ行くと、今までの記憶は消えて、本当に新しい生活が始まる。両親や祖父母のことも忘れてしまうのじゃ』
覚えておけないの? 僕はそれを聞いて寂しくなりました。僕の大切なパパとママ、おじいちゃんとおばあちゃんなのに。
『すまんのう。これは決められておる事なんじゃ。しかしじゃ、自分では気づかなくとも、心の中にはしっかりと、皆の記憶が刻まれている』
「刻まれている?」
『そうじゃ。思い出すことがなくても、体に刻まれておるんじゃ。それはどれだけ時間が経とうと、消える事は絶対にない。お主の両親の気持ちと共に、心の中でお主を見守ってくれておる』
「心の中? でも思い出せない?」
そっか……。う~ん、やっぱり覚えていないのは寂しいなぁ。ずっと覚えていられたら良いのに。でも心の中で、パパ達はずっと僕と一緒に居てくれる。それにパパ達は新しい世界で、幸せに暮らしてねって言ってたもんね!!
『ではじゃ。そろそろ新しい世界へ行っても良いかのう』
「うん!! パパ達のお約束。僕新しい世界へ行くよ!!」
『それでは新しい世界へ送ろう』
神様はニコッと笑った後、手を上げました。そうしたら僕の体を白い光が包んだんだ。それからすぐに僕はとっても眠たくなって……。
*********
(転生から3年後)
「そだ、ぼくは、あゆむだったよ」
朝起きると僕は、全部を思い出しました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます