tokyo silent rip

@alto_fraction

全ての始まりは銃声と共に

第0話 植え付けた理想

2030年、ある大規模なテロが日本の東京を襲った。

総死者数3500名、被害者総数40000名の歴史を振り返っても類を見ない銃撃テロ事件であった。


銃社会に馴染みの無い日本の国勢は、この騒動を起こした犯人を捕らえるべく早々に動き、やがて一人の男が起こした事件だと言う事に行き着いた。


犯人の名前は八十神銃士


"若干11歳の年端も行かない子供"であった。


面が割れた八十神は警察に捉えられ、国家を翻す大罪人として雑な取り調べが開始された。


しかし八十神は子供とは思えない程達観した価値観を警察に示しており、その態度は警察官達に悪感情を抱かせた。


___結果、死刑実行の様子が全世界に放映されるという結末に至ったのだ


そうして死刑が行われる直前に彼が放った言葉が、この後の世を覆す一手となる。


柔らかく、朗らかに、楽しそうな表情でかの子供は言い放つ


「さぁ、種は植え付けた…君達にどんな思想が…どんな"銃"が産まれるのかが楽しみだ…僕はその結末を見れないけれど、果てに訪れる静寂は一体誰の手に渡るのかな…実に…実に楽しみだよ」


___________


これは最悪の時代、人間が銃を産み出す事の出来る魔窟が生まれる始まりの年


国が銃の所持を許し、法という縛りを取り払った魔境の東京の話である。

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