或る農村を夢に見る【超自然的フィクション・短編】
柿倉あずま
第1話 序
深夜2時。多摩地方の住宅街に有るアパートの部屋。TVは消していて、外は道行く人もおらず、シンとしている。一人飲みも終盤、俺(米津秀行・よねづひでゆき・29歳)は、仕事机兼食事テーブルに立ち並ぶ空き缶たちを眺めた。
ビール6缶。ワインの時は720mlボトルを赤・白1本ずつ。焼酎なら900mlを3分の2くらい。ウイスキーなら200ml角瓶1本にビールや酎ハイを2缶つける。このようなアルコール生活を、大学卒業後から続けている。今のところ身体に異常はないものの、こんなアルコール生活を今後ずっと続けられると思えない。
ところで、俺は、毎度同じお酒をいただくわけではない。近隣のスーパーやコンビニで、棚を端から試させていただいている。今日で丁度手ごろな値段のものは制覇。
制覇はいい機会。お酒は週一にしよう、そう決めた。
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