恋をしたくない僕とお隣さん

山田

第1話「出会いとお隣さん」

「僕の人生は至って普通だ。大学に行きバイトをするただそれだけの日常だ。別に漫画やアニメのようなものはいらない、ただ普通に暮らせればいいそう思っていた。」


 


 文也はいつも通り大学へ行くために外に出てマンションの1階に行った。そこには長い髪の毛大きな瞳の美人だった。腰をかがめて自転車のあたりをキョロキョロしていた。




僕は声をかけた。 


「どうかしました?」


「自転車の鍵を無くしてしまいまして」


「お仕事大丈夫ですか?」


女性は少し焦っているようだった。


「やばいです。遅刻しそうです」


「僕の自転車使ってください」


「いいんですか?」


「もちろん。」 


「ありがとうございます。今度お礼します。」


そう言って、ものすごい速さで自転車をこいでいった。


 その日僕は初めて講義をサボってしまった。僕の普通の生活が少し変わったのかな? そう思った。




 その日の夜だ。僕の家のインターホンが鳴った。僕の家のインターホンが鳴ることは滅多にない。出て見るとそこには朝の女性がいた。僕は疑問に思った。なぜ彼女は僕の部屋を知っているのか?   


 


「朝のお礼をしに来ました。ご飯を作っていました。」


彼女は美味しそうなカレーを持っていた。 


「お礼なんて良かったのに、あれはただの僕の自己満ですから。」


「いえ、それでは私の気が済みません。」


「では、お言葉に甘えて、ありがとうございます。僕カレー好きなんですよ。」


「カレー嫌いな人は少ないと思って、あと私料理の腕には自信があるので期待しててください。あ、自己紹介が遅れました。私は一ノ瀬千乃といいます。」 


僕は自己紹介とともにずっと考えていた疑問についても聞いた。


「僕は松井文也です。なぜ僕の部屋を知っているんですか?」


一ノ瀬さんは少し笑って答えた。


「私松井さんの隣の部屋ですよ。あなたはたまに見かけるので、これからよろしくお願いしますね。」


「こちらこそお願いします。」


「そういえば鍵見つけましたよ、これって自転車の鍵じゃないですか?」


「これです。ありがとうございます」




 こんな美人の人がお隣さんだとは正直思っても見なかった。


 


 そうこれが僕の至って普通の生活が変わってしまうなんてこのときの松井文也はまだ知らなかった。

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