45歳の恋文日記
ちびまる
雨の日はキライ
私、雨の日って嫌いだな。
もちろん、雨は恵み。
感謝してるけど。
でも、梅雨って雨が続くでしょ。
じめじめしてるし、なんだか、気分が滅入っちゃうっていうか。
好きになれる要素がないんだよね。
そう愚痴る私に、彼が軽やかに言葉を紡ぐ。
「わたしは、嫌いじゃないですけどね」
そう言って窓辺に寄りかかり、ひとり静かに読書を始めた。
ぽつぽつと降り続く雨は、優しく窓を濡らしている。
外では、藍色に紫をちょっぴり混ぜたような紫陽花が、雨を受けて鮮やかに咲いている。
彼は、その景色に不思議と溶け込んでいた。
はらりとめくるページの音が、静かに雨音に重なる。
私は、そんな彼に見惚れてしまった。
雨の日も、悪くないかもしれない。
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