翔-kakeru-

海星

第1話 嫉妬

夜中の公園。


『何怒ってんの?』

『別になにも』

『でも怒ってるよね?』

『怒ってねーから!ほっとけよ!彼女かお前は!くっついてくんな!』


翔は僕の弟みたいなやつ。

久しぶりに会いたいと言われていつものここに来たけど、同じ日にショッピングモールで楽しそうに男と歩くこいつを見た。だからそれからずっとイライラしてた。


『僕、なんか悪い事した??』

『別に!勝手にしろよ!』

『何怒ってんの?迷惑だったの?』

『そうじゃない…』

『じゃあなに。。。』


翔が悲しさのあまり泣き始めた。


僕は胸が苦しくてたまらなくて、翔を抱き締めた。


『なんで冷たくするの?…』

『ムカついたから』

『僕なんかした?』

『なんもしてない』

『じゃあなんで?』

『……翔』

『なに?』


『よくわかんないけど…』


僕は翔にキスした。


『……稜太。』

『お前、今日楽しそうに男と歩いてたろ。』

『うん、出かけてた。』

『ムカついた』


そういうと翔は僕にキスし返した。


『稜太、ヤキモチ妬いたんだ。』

『うるさい。』

『言ってごらん?』


翔の優しい真っ直ぐな目にやられた。


『俺、お前が好き。だから他の奴と楽しそうにしてんのがムカついた。』

『……バカ。』


翔は僕を抱きしめて、頭を撫でた。


『僕は稜太のものだよ。僕はずっと稜太だけだったから。大丈夫。』

『……おかしくなるくらいお前がいい。取られたくない』

『僕もだよ』

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