噂
「あの子が死んだ」と、風が耳から耳へ運んだ。しかしその子の家は普段通りで、時に家族の者が出入りしているだけだ。学校からも特に、訃報を聞かされていない。不登校だろうと自由な噂は広がり、消える。
こちらこそ、関わりたいなんて微塵も思わなかった。いないなら、晴れてスッキリだーー
「そう思わない?」
隣の友人の肩に触れようとした時、友人は、私の体を擦り抜ける。他のクラスメートとの笑い声を、長く、長く引きながら。
❇︎あとがき❇︎
ホラーと噂、というテーマが
「小説家になろう」さんで上がっておりましたので。
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